クリスタルディフェンダーズ


対応機種プレイステーション3(PlayStation Store)/Xbox360(XboxLIVE arcade)
発売日2009/03/11
価格900円(プレイステーション3)/800マイクロソフトポイント(Xbox360)
発売元スクウェアエニックス

(c)2009 SQUARE ENIX
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携帯電話のアプリケーションソフトとしてリリースされていた「クリスタルガーディアンズ」を、コンシューマ機へ移植した物である。
携帯アプリ版では、W1、W2、W3と3つの作品が分かれて販売されていたが、本作品ではフルセットでの提供となる。

これに先駆けてWiiでも、同名タイトルが販売されているが、あちらはオリジナルステージであったり、ゲームバランスやシステムにアレンジがかけられている。

詳しいゲームシステムの説明は、Wii「クリスタルディフェンダーズR1」の方で触れているので、こちらでは省く。

携帯アプリでは分けて段階的に販売していた3つのゲームが今作品では最初から全て入っている。
W1は入門編、W2は中級者向け、W3は上級者路線、こういった位置づけにあり、W2からはパワークリスタルのシステムが導入されたり、ユニットの性能(コスト)やユニット自体が刷新されるなど、若干システム周りに違いが見受けられる。
それぞれ一つのタイトルに、4つずつステージが入っている。

本当に携帯版をそのまま持ってきた感じで、プログラム周りも手をかけてないのがありありとわかる安っぽい作りである。
フレームレートが30で処理されていたり、攻撃エフェクトや召喚獣の演出なんかにその貧相さが顕著に表れている。

ただし、インターフェイスには改善の兆しが見られる。HD対応のテレビ(16:9)で遊ぶと、ゲーム画面のサイズはそのままで、空いた左右の部分に、操作方法のウィンドウ、現在進行中のWAVEモンスターの詳細ウィンドウ。
また、今後攻めてくるWAVEモンスターが、左側に待機しているなど、利便性を追求した画面構成にしている。従来のテレビ(4:3)では真ん中のゲーム画面のみ(とはいえ、4:3でもモニタの大きさをもてあましているらしくスーパーゲームボーイのように枠付きの表示になる)の表示である。
こういった仕様にしたのは、ユーザーのことを考えたというよりも、据え置き機の画面サイズに対応出来るほどの画像データでは無い(引き延ばして表示するetc)環境だったことからくる苦肉の策だろう。
結果的にプレイヤーが不便を感じることなく遊べるインターフェイスが構築されれば、それが一番良いので、こういった措置は評価出来るが、なんか手抜きくさく感じるのも事実。
お金を払っているのだから、もうちょっと据え置き機向けにリメイクしてくれても良いのではないか?

ゲーム内容もそのまま移植したらしく、Wii版と比べると、ゲームバランスが荒削りな印象を受ける。
全体的にタイトな作りで、定石を見つけないとステージをクリアすることすら困難である。
これは元々、4ステージごとにばら売りで販売していた携帯電話版のなごりで、すぐにクリアされては困るというコンセプトから作られたのだろう。

この作品は、販売開始前のセールスポイントに「300ステージ以上収録」というような意味合いのものが含まれていた。
しかしこれは誤解で、いわゆる敵の集団をWAVEと言うが、これを1つに数えて、300以上収録という意味である。
実際のステージ数は、12で、しかもその半分が、上級版という名目で、使い回しである。

携帯アプリ版より進化している点として、インターネットランキング機能の搭載や、ゲームの進行に応じて追加される、開発スタッフによるお手本プレイの収録が挙げられる。
ただし、お手本プレイはあくまでヒントの位置づけなので、途中までしか見ることが出来ない。
ただクリアするだけでも難易度が高めに作られているので自力で攻略するのは難しく、こういった機能が付けられるのは必然とも言える。

このゲームは、ゲームクリアよりも寧ろ、効率の良いユニット配置を考えて、それによって得られるより高いスコアを追求することに楽しさを求めるゲームである。
しかし、ゲームバランスが厳し目で、自由度の低い作りというのは、なんとも窮屈で取っつきにくい物である。
個人的にはWii版のような感じで、クリアするだけなら適当にやっていても出来るようなおおらかな調整の方が好きだった。

ランキングの不満点としては、総合スコア(全ステージのスコア累計)でしか集計してくれないのが気になった。ステージごとにランキングを分けてくれたり、上位者のプレイをダウンロードして見ることが出来るなど、もっと便利な機能を実装してくれても良かったのではないか?と思う。
ちなみに、マイクロソフト「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」では、上位プレイヤーのリプレイデータをダウンロードしてプレイの参考にすることが出来た。

あくまで、自力でハイスコアが出せる配置は見つけて欲しいという意図を含んでると思う。実際、戦略を練ること自体がこのゲームの価値であって、答えを見てなぞるだけになってしまうとこのゲームの存在意義がなくなってしまうからである。
とはいえ、タワーディフェンスというマニアックでなじみの薄いジャンルで、ゼロから全部試行錯誤しろというのも無理な話である。
もうちょっと、チュートリアルや解説機能が充実していても良かったと思える。そこまでやって初めて製品版として評価出来るのではないだろうか。
それに、携帯アプリのソフトが3本パックでお買い得感を見せているけども、実際ふたを開けてみれば、分量的にお得な印象が無いのも惜しい。
そこで結論。

お金取るゲームにしては結構おざなり。システム的にもボリューム的にも。





[2009/04/08]
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