クリスタルディフェンダーズR1


対応機種Wii(Wii Ware)
発売日2009/01/27
価格1000円
発売元スクウェアエニックス

(c)2009 SQUARE ENIX / MSF / Winds
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携帯電話向けに配信されていたゲーム、クリスタルディフェンダーズが、Wii Wareで登場だ。
移植ではなく、基本システムはそのままに、ステージ構成を変えるなど、リニューアルされての配信のようだ。

あまり直接的には書かれていない(説明書などにはさらっと書いてあるが)が、DS「ファイナルファンタジータクティクスA2」のキャラクタや世界観、音楽を流用している。
キャラクターデザイナーも同じ人だ。タイトルロゴを見た辺りで、勘の鋭い人は関連する作品なのでは?とも思ったのではないだろうか。

ゲーム内容は、元が携帯アプリのゲームと言うこともあり、かなりシンプルな作りとなっている。
敵がクリスタルに向かって進軍してくるので、お金を消費してユニットを使い、それを食い止めるというものだ。
ジャンルとしては、リアルタイムストラテジーに近い物があるかもしれないが、ユニットを配置する時間は、ゲーム開始前や敵全滅時などに別個に与えられるので、時間を気にすることなくじっくり腰を据えて考えることが出来る。
ゲームを開始してしまったあとでも、まずいと思った時には、時間が流れている間にも、好きなところにユニットを配置するなど手直しすることが出来る。かなりプレイヤー優位な作りとなっている。

敵の出現位置は固定されており、進軍ルートも一本道で、通り道は色違いで示されているので、どういう動きをするかがわかるようになっている。
また、敵の進軍ルート上にはユニットを置くことが出来ない。そして、一度おいたユニットを自分で動かしたりも出来ない。

ユニットには職業とレベルがあり、レベルを上げることで性能が上がっていく。レベルを上げる時もお金を消費する。
お金は敵を倒すと入手出来るので、ユニットの配置と強化を、向かってくる敵に応じて、バランス良く対応していく必要があるのだ。
敵にも魔法に強かったり物理攻撃が当たらないなど、優劣が設定されていて、こちらのユニットにも、戦士や魔法使いといった職業を駆使して、敵の弱点を突いた配置をおこなう必要がある。

敵の一群をWAVEと言い、WAVEはたいがい、同じ敵で構成されており、この敵キャラが絶え間なく襲いかかってくる。その大群を全て退けると、次は別の敵キャラで構成されたWAVEがやってくる。
この合間合間に、ユニットを配置する間が与えられ、倒した敵から手に入れたお金を使い、どう対処するか考えるのだ。

ほかにも召喚獣を召喚するという要素があるが、これはまあクリア出来ない人への救済措置だろう。使わなくてもクリアすることは出来る。

ステージ終了時には、プレイ状況に応じたスコアが計測される。うまくクリアすることで、高得点が得られる。
やれることは少ないが、割と奥は深い。

ユニットの種類に無駄が無く、余計な要素が全くなく、良くできている。元が携帯アプリを媒体にしているだけあって、簡潔にせざるを得なかったのもあるだろうが。

1ステージごとに、使えるユニットが一つ一つ増えていくのだが、全てのユニットが出そろった頃には、もうエンディングである。
収録ステージはたった12(+隠しステージが1つ)しか無い。

しかも、ゲームとしてやっと面白くなってくるのが、全部試せるようになるラストステージぐらいで、それまでのステージというのは、練習といってもいいレベルだ。
適当にやっているだけでも、簡単にクリア出来てしまう。

ステージマップが全て画面一枚分しかないのもねぇ…。1ステージも短いし、もっと歯ごたえのある難易度の面を入れて欲しかった。

この内容では、はっきりいって体験版と言われてしまっても仕方が無い。プレイ時間も短い。

オプションには、ストーリースキップの項目があるが、オンにしていても、ストーリーらしいストーリーは一切見られなかった。

グラフィックは2Dのドットで、沢山ユニットを配置して動き回っても、処理落ちせずに気持ちよく動く。若干チープさも感じるが、こんな物だろう。

インターフェイスは、シンプルだが改善の余地が見られる。
まず、リモコン横持ちにしか対応してない。これでも不自由を感じるゲームではないが、欲を言えば、クラシックコントローラも使わせて欲しい。
カーソルがグリッドに対して0.5個分しか動かないせいで、半端な場所にユニットを配置することが出来てしまい、間違えると変に隙間が出来てしまったり、ユニットを増やしたいのに、間違えて配置済みのユニットを選択してしまう場合がある。
わずらわしさが感じられたので、この辺の操作性ももう少し練って欲しかった。メニューを開くのが-ボタンなのもなんだかねぇ。+ボタンの方が適切だと思うのだが。

前述したが、このゲームは得点を競うゲームでもある。自分が出したハイスコアをWi-Fiコネクションに接続し、ランキング登録することも出来る。しかし、対応しているステージがたったの3つだけ。
Xbox360などのゲームでは、全ステージを当たり前のようにネットワーク対応でランキングに自動でアップロードさせるゲームが珍しくない昨今、実に時代遅れと言わざるを得ない。
他のWiiWareのゲームでも、もっとランキング機能を積極的に活用しているだろうに。これはちょっとけちくさい。

ゲームデザインはなかなか、シンプルで斬新で、良くできているとは思う。しかし、商品としての作り込みが乏しい。WiiWareは開発の敷居を下げる意図で作られたものではあるが、体験版を売る場所ではないのだ。
これを遊んでみて、楽しかったら携帯版を契約して欲しいという考えなのだろう。
ちなみに、プレイステーション3とXbox360のダウンロード販売サービスの方で、携帯電話版の3作品全部をまとめて移植したバージョンを販売するそうだ。そちらの方は全300ステージ以上収録されているそうである。

タイトルにR1と付いているので、今後続編で補完していく計画でいるんだろう。少なくとも一作目ではストーリーなんて全く無かったわけだし。
しかしそれにしては、魅力の感じられない作品である。一作目としては失敗である。

つまらない、出来の悪いゲームではないのだが、結局ユニットの配置の最適解を探し当ててしまうとそれで終わってしまうゲームなので、かなり底の浅いゲームではある。そこで結論。

一応、続編に期待。このままでは駄作です。





[2009/01/28]
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