フロントミッション2089 Border of Madness


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/05/29
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2005 2008 SQUARE ENIX
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携帯アプリ用ソフトとして配信されていた、「フロントミッション2089」を大幅にアレンジしてDSで登場。
携帯ゲーム機ということで、インターフェイスやゲーム内容が大幅に見直され、完成度が高まっている。

基本的に一作目とシステムは同じ。違いといえば、両腕が破壊された時に体当たり攻撃が出来るのと、PS2版で好評だった連携攻撃が出来るスキルが追加されていること。

タッチペンとボタン操作どちらでも快適に遊べることにとても気を遣っており、既にDSでは一作目が移植されているが、あの作品をふまえ、さらなる改良が施されていて、操作性に関してはかなり向上したと言える(とはいえ、ボタン操作のほうがほとんどの局面で圧倒的に快適なんだけど)。
むしろ、タッチパネル操作をバッサリ切り捨てて、ボタン操作でのインターフェイスを突き詰める方がもっとゲームとして引き締まると思う。
画面のレイアウトもかなり見やすくなって、特に言うことは無い。

機体のセットアップ(RPGで言う装備品の付け替え)周りの操作性がとても悪い。特別不便というわけではないが、とっつきが良くない。
いつからか、全ての品物がリストアップされるようになったせいもあって、新しいパーツが探しづらい。ソート機能が付いているが、それでも見つけづらい。
もう、新しく入荷したパーツだけ、色分けして表示するなり一目でわかるようにするなり、工夫して欲しかった。
いつ装備品が追加されたかも大抵の場合知らせてくれるが、教えてくれない時もある。結局自分で確認しなければならない。

1と同じところを舞台にしているし、グラフィックデザインもかなり似通っているが、キャラクターデザインだけ違う人だ。
妙に塗りがアニメチックでなんか安っぽい。ていうか、ジャケットは思いっきりセル画だし。
やっぱりこのシリーズは渋くてなんぼみたいな部分もあるので、1と同じ天野喜考に描いて欲しかった(予算的に無理か?)。
まあ、全編渋すぎてもパッとしないので、これぐらいのスパイスがある方が良いか、とも思うが…(立ち絵やフェイスグラフィックは1に近い塗りではある。イベント絵や一枚絵がアニメチックで違和感を覚える)。

ゲームシステム周りはまったく1と一緒。つまりは、抱えてる問題点もそのまんま。
仕様上、スナイパーと設定されているキャラが、実際はその手の武器は使いものにならず、初期パラメータからミサイラーとして戦うのには涙を誘った。
新作として出す以上、この辺のシステムも作り直して欲しかった。
相変わらず、強いキャラでごり押しする作業ゲームのまんまである。

元々が携帯アプリのソフトで、さらに携帯ゲーム機向けに作っていることもあって、テンポ自体は非常に良くサクサク進むが、淡々とした印象は否めない。
ストーリーが1の外伝的なものを扱っているのも手伝って、スケールの小ささも気に掛かるところだ。そろそろハフマン島とサカタは卒業したらどうだろう。
なんだか投げっぱなしに終わってしまう(次作に続く)ような終わり方もねぇ…(元がモバイル版だから仕方ないんだろうけど)。

音楽はほとんど使い回し、システムも土台は同じ、肝心のシナリオもパッとしない。なんだか中途半端なリメイクである。
1がファンには評判が良いそうだが、さすがに10年以上前のシステムのゲームを遊ぶのも今となってはつらい。
どうせならモバイル版の2とセットで移植して欲しかった(多分出すんだろう)。そこで結論。

シリーズファンにも微妙なゲーム。





[2008/06/03]
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