ガデュリン


対応機種スーパーファミコン
発売日1991/05/28
価格8800円
発売元セタ

(c)1991 SETA
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セタのスーパーファミコン用ゲームソフト第一弾。
パソコンゲーム「ディガンの魔石」の世界観を借りてきた完全新作RPG(内容は別物)

ゲームシステムは、オーソドックスなドラクエタイプのコマンド形式のRPG。そこに多少ながら色を付けた感じになっている。

スーパーファミコン初期の作品ではあるものの、元はパソコン向けに開発していたのではないかと錯覚するぐらい、仕上がりがパソコンゲーム臭い。

例えば、二等身で描かれたキャラクタ、豊富なマップチップ、独特の鮮やかな色遣いで描かれるドット、バトルではアニメパターン豊富な滑らかなエフェクトが臨場感を醸し出す。
わずかではあるものの、一枚絵のカットシーンでイベントを見せている部分もあり、非常に頑張っている。

いわゆるスケールの異なるワールドマップはなく、すべてのマップが同じ縮尺で描かれている。
マップチップが豊富で起伏のあるマップになっていて綺麗だが、川や滝といった動きの欲しいマップチップが止め絵なのが、惜しい。
せっかくSFCなのだから、多重スクロールの機能なんかも使って欲しかった(時期的に難しかったのだろうが)。

また、全体的にちとマップが広めなのが辛い。町では建物に施設(店)の看板が無いことと、ダンジョンはどれも長い上に複雑でキツイ。

バトルも凝っていて、戦闘中に行動する(攻撃したりされたり)度に減るスタミナというパラメータがあったり、防御してると相打ちになって吹っ飛んだりふっ飛ばしたり、
逆に攻撃されそうな相手に支援する「遊撃」でカウンター攻撃を食らわせたり、敵に取引を持ちかけるコマンドがある。

だが、敵と取引するコマンドはまず使わないし、スタミナもターン経過時に一定量回復することもあって気にする必要が全く無い。
防御したりといった要素は、試みはリアルで面白いのだが、ただ戦闘を長引かせるだけの原因になっていて、テンポを悪くしている。

防御ばかりするガードの固い相手や、状態異常攻撃を多用してくる相手が出てくると、下手すると戦闘を終わらせられなくなる状況にハマることになり、面倒なので逃げることになる。
この辺りは、せっかく色々凝って作ってきているのに、それらはテンポを阻害するだけなので、結局はそこに引っかからないような戦い方をするに至ってしまう。実に勿体無い。

レベルは小気味良く上がっていき、難易度も低めなので、気持ちよく遊べるようになっているのだが、今指摘したような要素が足を引っ張ってしまっている。
おまけにダンジョンが広いので、ダルい戦闘を強いられるばかりの単調な展開が辛い。

どうも突貫で作ったせいなのか、細かいバグが残っていたり、メニュー周りの操作性が微妙に悪く煩雑だったり、イベント周りの演出がテキストベースで雑だったりする(そのテキストも誤字が多い)。SFC初期だということを考慮に入れてもまだ弱い。
ゲームを進行する上でのヒントが少な目で、不親切なままなところも多く、特にゲーム終盤は、プレイ時間を引き延ばすためなのか、結構大変なアイテム集めを強いられる(ゲームボリュームに不安があったのかもしれない)。
アイテムの持てる数が少なく管理が面倒(種類別に持てる数の制限が厳しい)だったり、全般的にゲームの処理がちゃんとなされてなくて、プレイヤーに伝わりにくいために、遊びづらく色々と損をしている点が多い。

ゲームの雰囲気はなかなか良かったので、変にオリジナリティを出そうと欲を出さなければ、もっと引き締まった完成度になったかもしれない。そこで結論。

明らかに練り込み不足。だが、雰囲気の良さや作風など光る点も多い(発売を先急いだんだろう)。





[2016/02/26]
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