幻想水滸伝2


対応機種プレイステーション
発売日1998/12/17
価格5800円
発売元コナミ

(c)1995 1998 KONAMI / Konami Computer Entertainment Tokyo
戻る

PS初期の秀作RPGとして、根強いファンを獲得した幻想水滸伝に待望の続編が登場。
前作のデータをコンバート出来るフューチャーがあり、やり込んだプレイヤーへのご褒美を用意してる辺り、今回もなかなか気が利いている作品である。

続編の発売自体は、結構早い段階から発表されていたはず。
しかし、延期に延期を重ねて前作から3年も経ってしまっている。この辺が惜しい。
全体的に、一世代前のゲーム内容なのである。

ゲーム内容は、前作のものを正統進化したという感じで、これといった目新しさはないが、全体に丁寧さが漂っており好感を持てる。
特に戦闘シーンは、さらにテンポ良く改良が施され、相変わらずサクサク気持ちよく遊ばせてくれる。

バイオハザードやファイナルファンタジー7以降、CGを基本とした作品が増えてきた中で、全編ドット絵の本作は、古くささが否めない。
ちと作り込みすぎて、発売時期を逃した格好だ。内容的には明らかに1年は発売が遅かった。
そのぶん、内容勝負で隅々までストレスを排除し、気を使った作りは、今風の見た目ばっかりの雑な作りなゲームソフトに比べ、安心して遊べる。

前よりも、さらに物語色が強まっており、久々にRPGのシナリオで感心させられた。押しつけがましい見せ場も無く、旧世代的な引いた見せ方は、大金をかけて作ったごり押しのムービー映像より心に響いてくる。
ただし、時代の流れに逆らえなかったのか、本作でも一部でムービーの挿入があり、整合性を取る上でも、なんとか頑張ってムービーに頼らずにやって欲しかった。
前作が少々短めだったのと、値段的に今回もボリュームに乏しい先入観を持っていたが、とんだ見当違いで、しょーもないミニゲームや手の込んだサブイベントが膨大に用意され、かつ、本編のシナリオもそこそこの長さで、意外に巨大さの漂うゲームとなっている。
この巨大さが仇となったのか、さすがにミニゲームの細部まで目が行き届かなかったらしく、一部で操作の一貫性が取れてないところがあり、ひどいものだと一端ミニゲームに入ってしまうと、一度遊ばないと終わることが出来ないという見落としまであったり、かなり惜しい。

グラフィックは、ドット絵の長所である暖かみのある綺麗さで、マップチップは前作よりもかなり良くなっている。キャラパターンも豊富で、非常に頑張っている。
本当に、こういうゲームを見ると、それだけで安心してしまう。かつては、ドット絵のゲームは当たり前だったが、時代の流れで、すっかり貴重な産物になってしまったわけで、ドット絵のRPGは時期的にはこれが最後かもしれない。
戦闘時のスプライトキャラも、前作はドットが粗かったが今回は通常時と殆ど違和感が無くなり、さらにはキャラパターンやポリゴンを使った魔法エフェクトも大幅パワーアップしていて、最高水準に達したと言っても過言では無い。

108人の仲間集めや、本拠地の拡大なんかは、前作と仕組みが一緒なので新鮮味は無いが、強いて言えば、前作で歯がゆかったパーティ編成の不自由さが解消されている。
ストーリー上絶対に入れなくちゃならないキャラは、同行者という枠が別枠に用意され、結構好きに編成出来るようになった。
女の子だけのハーレムパーティや、美形男キャラ、渋い親父パーティなどまさに自由自在だ。クセの強いキャラも多く、全体的に印象に残りやすいメンツになってるのも良い。

細かいレスポンスでの不満点や、相変わらずドラクエ方式の煩雑さが残るアイテム周りの仕様など、もう一歩な箇所も多いのは気になる。
あと、いわゆる戦争イベントが、S.RPG形式になっているのだけど、しょせんミニゲームの感覚で作ってるせいで、ルールがわかりにくく、つまらない。
しかも、どちらかというとゲームというよりイベント演出の側面が強く、真面目に考えて戦ってるのに茶化されてしまい、ようは結局ははじめから結果が決まっていて、途中で勝手に終わられてしまったり、イベントの見せ方としては最悪である。テンポも悪いし、その割に変に自由度も付けてるし。ただ怠いだけである。
それから、通常のRPGでいうアクセサリー的な装備品の紋章の付け替えが、紋章屋じゃないと出来ないのは不便。武器と魔法どっちに宿せるかわかりにくいし、改良の余地アリ。

そういった欠点も目に付くが、古き良きドットRPGとして、繊細に丁寧に作られている辺り高く評価したい。
特筆すべき点として、一作目のキャラクターも登場して仲間になってくれたり、ファンをにやっとさせてくれるサービスもあり、なかなか嬉しいところだ。

ただ、どーも続編を出す気なのか、妙な伏線を残してるところがあり、その点が気になった。もし次があるならば、目新しい要素が無ければ正直苦しい作品となるだろう。

1作目を土台に、完成系へと持っていった傑作。





[2006/02/09]
戻る

inserted by FC2 system