ガンナーズヘヴン


対応機種プレイステーション
発売日1995/04/28
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1995 Sony Computer Entertainment / MEDIA.VISION
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3D処理に強いが2D処理に弱いプレイステーションでも、これだけのこと出来るってことを見せつけるため、
スプライト処理をガンガンかましたコナミ「魂斗羅」タイプのガンシューティングアクション。

画面上に沢山の敵キャラ出したり派手なスプライト処理を一斉に起こしても、ほぼまったく処理落ちが起きない。画面が重くなったりもしない。
プレイステーション初期のタイトルにしては、頑張っているほうと言える。
なぁに、セガサターンに比べればたいしたことはない...と言いたいところだが、当時のセガサターン陣営もポリゴンに目が行っていてこれだけの平面処理を駆使したゲームがなかったり。寝首をかかれるとはこのことだぞ!セガ!!

ドットグラフィックも綺麗に描き込まれており、デカキャラを軽々しくウネウネ動かしたりなど、レベルが高い。ディスクアクセスも全く感じさせない。

技術面では褒められる出来だが、肝心のゲームとなると、これが派手な割に大した面白くないという困ったチャンである。

ゲームシステムは、魂斗羅のままだと辛いってことで、キャラを可愛くして、体力制にして(代わりに残機数は1で一度やられるとゲームオーバー)、スライディングやワイヤーアクションの回避アクションも増やして、全武器を切り替えて戦える!!
というふうに万人向けに色々と作り替えている。

しかし、体力制にしたぶん、敵の攻撃が熾烈になり、かえって難しくなってる感じがする。
また、アクションが充実していることから、どちらかというとロックマンに近い印象を受ける。個人的にはワイヤーはいらないと感じた。かわりにジャンプ力を強化すればよいだけの話だ。

ノーマルショット、ホーミング、バウンド、ファイヤー、4種類の武器を切り替えて攻撃できるが、△で順送りにしか切り替えできない。不便。L1とR1で切り替え出来るようにすればどれだけ便利か。
使い分けを求められるが、ホーミングが万能過ぎて、ほとんどの局面でホーミング以外使うことがない。硬い敵が出てきた時など、切り替えるのはやむなくそういう状況を求められた時ぐらい。
(説明書にもホーミングが有効って書いちゃってるし、これじゃダメだろ…)

ガチガチの覚えゲーで、死にながら何度もパターンを構築して攻略していくゲーム。ボスキャラの耐久力が非常に高く、攻撃も弾の軌道がいやらしく沢山弾をばらまく。当時としてはまだ珍しい避けゲーの色合いが強い。
だいたいボス戦の長期戦に根負けしてやられてしまうパターンが多い。せっかくの体力制もこれでは意味が無い。
ゲーム後半にいたっては数ドット単位のシビアな動きを要求されるうえに、セーブ機能がないので、クリアできずに投げた人も多いと思われる。

デモ演出などにアーケードゲームを意識した節があるが、ステージ構成は単調で変化に乏しく刺激が足りない。だらだら長い割につまらない。はっきりいって退屈である。
無限コンティニューで、復活ポイントから復活できる優しい作りだが、数回同じところをプレイするともう飽きてしまう浅い内容だ。

音楽はCDの利点を活かして生音だが、ただ派手なだけで魅力がない。SEはスカスカでこの手のゲームに最も大切な爽快感が欠けている。遊んでいて気持よさがみじんもない。

男キャラと女キャラの2人からプレイヤーキャラを選択する。それぞれ性能が違うので、違う立ち回りを求められるが、そういった工夫があっても、上記のとおり何度もプレイしたいと思えるゲームでは無い。
でも結局ホーミングを多用するためにたいした変わらないのだが...

アクションゲームは、何度もプレイして自身の上達を楽しむ側面があるが、このゲームは、特にボス戦では、敵の手の内さえわかってしまえば、実に簡単にクリアー出来てしまう。
最初の数回は、わけもわからずやられるだけで、避けて攻撃する立ち回り自体にはそれほど操作技術は必要とされない。つまり、試行錯誤して攻略法を見出すというよりは、スタッフの想定した動きを探し出す作業的要素が強く、全くもって上達した実感を得られない。
しかも、最終的にはホーミングでどこからでもダメージを与える戦い方が楽なので、避けて攻撃するのではなく、ただ避け続けるだけになってしまう。

武器のパワーアップシステムもあまり好きになれない。特定の敵が落とすPOWERと書かれたアイテムを取ることですべての武器がパワーアップする。しかし、パワーアップには制限時間があり、カウントが0になると効果が切れる。
つまり、有利にすすめるには効果が切れる前にアイテムを取得して制限時間を増やしていくことが求められる。ボス戦に入るとカウントが止まるため、いかにボス戦にパワーアップした状態で入れるようにするかということが重要となる。
こんな手の込んだシステム入れるぐらいなら武器の使い分け(どの武器を手に持って戦うか)で戦略性を出してくれたほうが面白いし、万人向けを目指して間口を広めるならこの面倒なシステムは投げるべきだろう。
実際は、何度もやってパターンを把握してしまえばまず切れることがない作りになっているので、鬼の首を取ったように叩くべきシステムでもないのだが、余計な要素だと感じたから書いた。

STGステージの操作性の悪さなど、作り込みが甘いところも目立つ。ハード立ち上げ期の作品だから、細かいところまで練りこんで作ることが出来なかったのだろう。そこで結論。

見た目だけのゲーム(時期柄仕方ないだろう)。





[2011/01/25]
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