がんばれゴエモン 黒船党の謎


対応機種ゲームボーイ(13色対応)
発売日1997/12/04
価格3980円
発売元コナミ

(c)1997 KONAMI / Konami Computer Entertainment Nagoya
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ゲームボーイでは久々のリリースとなる「がんばれゴエモン」シリーズ。
ゲーム内容は、画面切り替え式のトップビューのアクションゲームで、「ゼルダの伝説」や「聖剣伝説」に近いプレイ感覚だ。ボス戦ではゴエモンらしくミニゲームで勝負する。

キャラクター表示が小さいこともあるが、ゲーム中のキャラクター絵が下手すぎる。敵キャラは割としっかり描かれているので、技量不足と言える。メインキャラクタなのだからしっかりやって欲しい。

ステージ上でやることは、先へ進むために必要なアイテムを入手し、また、町の住人から情報収集や、宝箱からは、ライフゲージをアップする「命の水晶」や、攻撃力をアップさせる新しい武器が入手できたりする、探索要素が非常に強い。
逆に、アクション性に関しては乏しいと言わざるをえない。まず敵キャラの種類が少ないし、本作はアイテムの全てを宝箱から入手するので、敵を倒しても何も手に入らないため、倒す意味が無い。
斜め移動が出来ず、上下左右にしか移動できない。武器のリーチが短く攻撃しづらい。飛び道具があるが、消費型である。画面が小さく敵もそれほど積極的に攻撃してこないため、容易に素通りできる。
以上を踏まえると、アクションゲームとしての面白味が無く、特にザコキャラの存在意義が全く無い。

中途半端にジャンプアクションを残しているのも好きになれない。穴に落ちるとダメージを受けてフロアーの入り口に戻される。面倒くさいだけだろう。落ちることはまず無いのだが。
地形に引っかかりやすく、当たり判定も若干ずれていて判定がおかしい。引っかかるたびにイライラする。独特の当たり判定に慣れれば気にならなくなるのだが…。

ステージの最後ではミニゲームが挿入されるが、失敗すると即ゲームオーバー。残機数の概念がなく、一度やられるとセーブしたところからやり直しになる。そのセーブも、面クリア時にしか出来ない。不便。これらが、ゲームの難易度を無駄に引き上げている。
セーブファイルもなぜか一つしかないのも気になる。ステージの進行と所持アイテムを記録するだけで、それほどのデータ量にならないはずだが?「ポケットモンスター」のように通信ケーブルに対応しているわけでもないし、ただの手抜き。

また、このミニゲームがどれも異常に難しい。まず誰もがボタン連打を要求させる1面の100メートル走のシビアさに挫折するだろう。しかも、勝てなかったらまた最初からやり直しになる。
1面を超えて、2面の綱引きなんかはまだ楽になってくるが、全体的に感覚が麻痺したゲームバランスの付け方で、失敗するとステージ最初に戻されるプレッシャーも合わせて、気持よく遊べない。

ステージ最初に3人のプレイキャラから好きなキャラを選べるが、4面までは一度使ったキャラが何故か選択できない。つまり、一度は全キャラ使わなければならない。この仕様に関してゲーム上で説明が一切ない。
恐らく、3面までは武器のパワーアップアイテムを配置していて、重複して入手してしまうと困るから封じているのだろう。といってもキャラ間の性能差はジャンプ力が違うぐらいで、それほど困らないのだが…。

序盤から妙に厳しいなあと思っていたら、なんと1面と5面の敵が使い回しである。2面に入った途端楽になるのでおかしいと思ったが、こういうからくりとは…。
軌道が読みづらく動きが早いコウモリと、突然ランダムに出現して手裏剣を投げる忍者が驚異的で、ライフが少ない1面で、これらの敵とかち合わせると、理不尽な難易度になるのは目に見えてわかるだろう。お粗末な作りにゲンナリ。

ミニゲームの数が多く、力がやたら入っているのはゴエモンらしいが、核となる部分のレベルが低すぎて、かなりつまらない。
1997のゲームとは思えない、不条理なゲーム内容に閉口するばかり。ゲームボーイ初期の作品と言われればまだ納得出来る。「ポケモン」ブームでゲームボーイが流行ってきたからとりあえず作ってみたって感じなんだろう。そこで結論。

ブランドを利用した粗悪品。





[2010/09/01]
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