超光速グランドール


対応機種プレイステーション
発売日1997/07/25
価格5800円
発売元バンダイビジュアル

(c)1997 バンダイビジュアル / 長谷川勝己 / あかほりさとる事務所
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ピンク髪、ツインテール、セーラー服、女子高生、メガネっ娘、ドジっ子。この上なくわかりやすい美少女キャラを主人公にした横スクロールアクション(これだけ詰め込めばどれか一つにはひっかかると思ったのだろう)。
バンダイビジュアルが企画しているため、ゲーム以外にもラジオドラマやOVAなどのメディアミックス展開がとられた。

露出度は低いもののメカスーツに着替えて戦うという設定も非常にマニアック極まりない。
このマニアック度の高さや、出来の悪いアクションゲームに女の子をかぶせて売り出す手法は日本テレネット「ヴァリス」を思い起こさせる。
いつの時代にもこのようなゲームがどこかしらから出るということ自体に別の意味で感心すらしてしまう。

まぁ、キャラデザインは悪くない。恥ずかしながら雑誌の広告イラストを見て「おっ」と反応してしまったぐらいだ(なんとなくゲンジ通信あげだまを思い出した)。
人気声優、有名スタッフ、アニメーションムービーで客を釣っているが、この手の手法はPCエンジン全盛期に流行っていたわけで、ちょっと時代遅れの印象を受ける。
脚本もあかほりさとる関係の人間を使っているが、こちらはまあ良くも悪くもあかほりテイスト全開になっていて、王道でありきたりで意外性がないと言える(ついでに言えばご都合主義のオンパレードとも言える)。

有名スタッフでごり押ししているから見栄えだけは良いものの、肝心のアクションゲームとしてのクオリティーはかなり低い。
変にポリゴンを使わず、全てドット絵で描いているところなど、一見すると「わかっている」印象を抱くかもしれないが、基本的な部分が全く出来ていないため面白く無い。

大雑把に分別すると、ロックマンタイプのアクションゲーム。ステージをクリアすると特殊能力が付いたスーツが手に入り、数種類あるスーツを場面ごとに使い分けて攻略していく。
操作性が非常に悪い。慣性がかった重い動きのくせに、きっちりしたジャンプアクションを要求される。キャラクタが大きめなので、視界が悪く地形を把握しづらい。というか出来ない。
ただ一方向に向かって進めば良いのではなく、所々壁登りや二段ジャンプといった特殊スーツの能力を要求される、いわゆるメトロイドタイプの迷路状のステージマップを探索して鍵を見つけ出しゴールを目指す(他にも体力値を上げるアイテムが隠されており、集めて強化する要素もある)。
後半のステージになればなるほど、広く複雑なマップになり、トラップなどもいやらしい配置となって進むのが難しくなる。ちなみに、マッピング機能などという気の利いた機能は無い。

スーツの切り替えを頻繁に求められるくせに、切り替えるたびにキャラパターンを読み込みに行くのか画面が硬直して待たされる(演出でごまかしたりはしている)。テンポが悪い。

残機の概念がなく、やられるとステージの最初かボス戦まで到達していればボス戦からやり直し。長丁場になってくる後半の面になってくると、この仕様はかなり辛い。

とうぜん最後に待ち受けるボス戦もいい加減な作りで、力押しで決着をつけがちである。かなりつまらない。

よほどのアニメオタクでも「超光速グランドール」なんて聞いたことがないだろう、せめてTVアニメの枠を取れれば少しはメジャーにはなったかもしれない。
巷に氾濫する良くある中身のない美少女アニメで、設定もオタク受けせず上滑りを起こしていたのだろう、ろくに話題にもなっていないようだ。マニアック路線の中でもマニアックすぎる内容だししょうがないと言える。そこで結論。

見えてる地雷とはこのようなもののことを言う、駄作。





[2011/01/24]
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