グランディア デジタルミュージアム


対応機種セガサターン
発売日1998/05/28
価格3500円
発売元ゲームアーツ

(c)1998 GAME ARTS / ESP
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発売後、多くのサターンユーザーを唸らせた大作RPGグランディアのファンディスクが僅か半年で発売。
膨大な開発資料、データ、追加要素多数収められた豪華さで送る決定版。

ファンディスクの体裁を取りながらも、それらを新規制作された4つのダンジョンへ赴きアイテムを集めなければ閲覧出来ないという、
非常にゲーム性の強い内容になっている。これはもう一本のRPGと考えた方が良い。

本編の狂ったゲームバランスとは異なり、今作では割としっかり調整されており、経験値やアイテムの与え方などもちゃんとしていて、
全体の難易度としても「油断すると全滅するかもね」といった辺りにあって、やりごたえがある(難易度的にはこれでようやく普通なんだけど)。
ただ、一部ボス敵の配置の順序がおかしい箇所がある。明らかにこの後に戦うように仕向けられた相手と比べて強くえらい苦戦を強いられた。
そこだけが気になったが、他に特別気に障ったところは無い。

開発資料やモンスターデータ集といった、バックグラウンドを知りたいプレイヤーにとっては見応えのあるものが入っている。
特に、会話時に表示される全ての顔グラフィックが見られるのは嬉しい配慮だ。
画面の切り替えに若干引っかかりを感じるが、資料は小さい文字が読めるところまでズーム出来るし取り込みの精密度も高いので、サターンの性能を考えるとこればっかりはしょうがないだろう。

本編では甲板掃除のミニゲームが挿入されていたが、それを含め新作ミニゲームも多数用意された。
このうちの幾つかは、おそらくは本編に入れるつもりだったのではないかと思われるものも見られた。
ただ、全体の水準としてはそれほど高くない。主にボタンの反応が若干悪く、押しても反応してくれない時がある。
また、ものによっては、1プレイにやたら時間を取られたり、まぁこの辺のものは「とりあえず作ってみた」というレベルで考えた方がよいだろう。

どうもこのゲームのために、ラジオドラマを作るのに本編の声優陣を再度集めて録音したようだ。
正直、中身はたいした面白くなかったが、この豪華さは評価したい(本編に比べ声優の人たちが明らかにノって演技しているのは別の意味で面白いが)。

本編の名場面が即座に見られるセーブデータも収められているのは、こういうのは個人的にあまり好きにはなれないのだが(本来、踏むべき過程を省略して見れてしまうから)、
多くの人たちが望んでいたことだということで、これはこれで良いのかなと思う。

当然ながら、本編クリア済みの人を対象にしているため、ネタバレ満載なので、プレイ中の人や未プレイの人が遊ぶのにはお薦め出来ない。
それと、相変わらずだるいエフェクトとテンポの悪い戦闘シーンを繰り返さねばならないので、この辺が気にくわなかった人には辛いゲームとなる。
しかし、全体的にファンへ向けた凝った内容は評価出来る。

ファンディスクの見本とも言うべき作品。





[2005/09/15]
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