SDガンダム外伝 ラクロアンヒーローズ


対応機種ゲームボーイ
発売日1990/10/06
価格3800円
発売元バンダイ

(c)1990 BANDAI / SOTSU AGENCY / SUNRISE
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ナイトガンダム物語のゲームボーイ版。

基本設定はファミコン版と同じものを題材としているが、ゲーム内容が全くの別物なので、ファミコン版をプレイした人でも楽しめる。

こちらはゲームという媒体を尊重した独自性の強い内容になっているので、ゲーム的にはこっちの方が綺麗にまとまっていて面白いと感じた。

ゲームボーイとしては割と良くできたRPGである(1990にしては)。
Bボタン押しながらでダッシュ移動が出来たり、メニュー開閉や処理動作も非常に快適で、レベルアップも早くサクサクと遊ぶことが出来て気持ち良い。

ただし、容量不足なのか、ゲームバランスが急勾配でいきなり敵が強くなるために経験値稼ぎが必要だし、
ゲーム終盤は、いよいよ容量が足りなくなったのか、先に進むための情報が急激に少なくなり、ほとんどノーヒントに近い状態でやらされるため、クリアするには結構な辛抱強さが必要となる。
また、後半のザコ戦闘は、まともに相手をするのが馬鹿らしくなるほど強く、敵から逃げやすいこともあいまって、戦闘がゲームとして全く機能していない状態に陥っているのは致命的である。
このように、ゲーム序盤から中盤辺りまでは、しっかり出来ている印象を受けたのだが、中盤以降は無視できないほどいい加減な場面が多い。どうやら製作時間が足りなかったようだ。
バンダイ的にはブームが過ぎ去る前に逃げ売りしたかったんだろう。

戦闘システムはスクウェア「魔界塔士サガ」を参考に作ってるっぽい(さすがに熟練度制ではないが)。画面構成や処理の仕方が似ている。

ファミコン版にはあったカードダス集めがなくなっているのも寂しい。

後、ゲームボーイのソフトなら、どこでもセーブできるようにして欲しかったのが妙に気にかかったところだ。セーブできるのはフィールド(一部のダンジョンフロアーのみ)だけである。
これが携帯ゲーム機のゲームじゃなかったら、別段気にならなかったことなのだが、妙な不自然さを感じてしまった。

プレイしていてずっと気になった点がひとつある。
通常のゲームは、Aボタンでメッセージ送りされるが、
このゲームの場合、最後までメッセージが表示されきってからはAボタンで進まず、メッセージコマンドを閉じる操作がBボタンに割り振られてることだ。
慣れれば別に気にならない操作なのだが、普通は全部Aボタンで読み進めることが出来るものなので、違和感を最後まで拭えなかった。ぶっちゃけ、不便だった。

ゲームボーイの作品ということもあって、ボリュームに物足りなさを感じたり、雑なところもかなり目立つのだが、スペック的にある程度は仕方のないことだ。
というか、ゲームボーイでRPGを作るのは相当工夫しないと厳しいと言える。そこで結論。

惜しい作品(終盤の投げやりぶりは明らかに作りこむ時間がなかったのだろう)。





[2012/06/23]
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