魔法陣グルグル


対応機種スーパーファミコン
発売日1995/04/21
価格10800円
発売元エニックス

(c)1995 ENIX / TAM・TAM / 衛藤ヒロユキ / ABC / 電通 / 日本アニメーション
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月刊少年ガンガンで創刊時から人気の「魔法陣グルグル」が、アニメ放映に合わせる形でエニックスが直々にゲーム化。
ジャンルはロールプレイングゲームだ!

あのシュールでヘンテコな作風をどのように料理するのかと思っていたが、どうやらコンパイル「魔導物語」を参考にしたようだ。

ゲームの概要としては、一つの町を拠点に、全部で13ある塔にのぼって、町を困らせている諸悪の根源を倒していく。
ゲームオリジナルストーリーだが、ククリが召喚魔法を覚えてそれを使うことで、お馴染みのキャラクターも出てきてくれる。

「魔導物語」のような3Dダンジョンではなく2Dの見下ろし型だが、サイズの決まったダンジョンで、ウィザードリィのような構造をした作り(オートマッピング機能が備えられている)。
また、未踏部分は暗闇に閉ざされており、足を踏み入れることで初めて表示される。
敵もフィールド上に見えており、接触することで戦いになるシンボルエンカウントを採用している。

戦闘シーンは、ニケが自動的に戦ってくれる。基本的にはオートバトルだが、ニケに作戦を指示したり、ククリに魔法を唱えさせたり出来る。時間を止めてアイテムなど使うことも可能。
しかし、ゲームとしてはかなりヌルいので、戦闘中に何か指示を迫られることはない。基本的には放置で大丈夫だろう。

このように、多少ターゲット層に合わせる形でカスタマイズなされているものの、基本的にはウィザードリィのような3DダンジョンRPGと思って良い。

小さな子供がプレイすることを配慮してなのか、ゲームとしてはやりすぎなぐらいどっぷりぬるま湯で、まず負けることがない。ダンジョン探索型RPGでありながら、緊張感が全く無い。
一応、塔によって異なるトラップが用意されていたり、攻略するダンジョンを自分で選べるなど、工夫は見られるのだが、ひたすら冗長で単調なゲーム展開で、退屈になって飽きてくる。
ありえないぐらいお金とアイテムが手に入り、レベルもドカドカと上がっていく。しっかり踏破しながら進めていたら先にレベルがカンストしてしまう位。

戦闘シーンなんかは、いわゆる良くあるタイプのものではなく、HPやダメージ数値を敢えて見せず、キャラの豊富なアニメパターンでコミカルに戦い合う風景が、なかなかこだわりを感じさせる。
が、この戦闘シーンが長引きやすく、テンポを悪くしている。
しかも放置してても大丈夫なぐらいヌルいので、つまらない。テレビでも見ながら、漫画でも読みながらになってしまう。

歩いた部分の暗闇が晴れて地形が表示され、オートマッピング機能によってマッピングされるが、フロアを移動してしまうと、それらの情報が全て消えてしまう。これは大問題だ。
なぜなら、この手のゲームは、フロアを踏破したということが記録されないと、攻略したという達成感を薄れさせてしまうからだ。
ダンジョンがランダムで自動生成型ならまだしも、そうでないのであれば、しっかりと記憶しておくべきだった。

タイトル画面、戦闘開始時&終了時、要所要所でアニメと同じ声優の掛け声が演出で入る辺り、なかなかわかっている感じだ。
また、ククリの魔法は、複数の魔法陣を組み合わせて発動するという流れも面白い。
しかし、メニューで魔法の説明を見れるようにして欲しかったし、魔法を選んで唱えるのではなく、自分で組み合わせを覚えて使うのがゲーム的には非常に不便。なんとかして欲しかった。

そして、ストーリーが殆ど無い。はっきり言ってこの分量の少なさは物足りないと言わざるをえない。

アニメ放映に合わせての開発と発売を目指したために、あまり踏み込んだことをやれなかったのだろう。実のところ、ダンジョン探索型のRPGにしたのも、そうせざるを得なかったのだろう。そこで結論。

キャラ物ゲームを面白くするのは難しい。





[2016/04/13]
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