鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔


対応機種プレイステーション2
発売日2004/09/22
価格6800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2003 2004 SQUARE ENIX / RACJIN / 荒川弘 / 毎日放送 / アニプレックス / ボンズ / 電通
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アニメ化など前衛的なメディアミックス戦略によって、今や不動の地位を得た「鋼の錬金術師」。
その本家本元スクウェアエニックスから発売されるゲームの2作目。

基本的なシステムは前作の内容を踏襲しており、それを高い次元に引き上げて作られている。
ただ、前作がちょっと練り込み不足な内容だったから、当然っちゃ当然と言えるし、
目新しい新要素が特にあるわけではないので、意外性に欠けるゲームではあるが、
下手な冒険より順当な進化を選んだと考えればありかなとは思う。

元が漫画作品なので、そのままポリゴンに起こしただけの一作目は違和感バリバリであった。
その点、本作ではトゥーンレンダリングで描かれており、違和感が無く入り込むことが出来る。
全体的にグラフィックの水準もグッと高まっており、安っぽさにゲンナリした前作に比べ
だいぶ見栄えが良く、風景の変化も豊富で飽きずについて行くことが出来る。

通常時のイベントでは、頻繁にセル画の一枚絵が挿入され、加えてフルボイスで喋るようになり
一気に鮮やかな雰囲気になった。
フルボイスと言うことは、その分見ているだけの時間も多くなったわけだが
台詞の量もその分絞られており、だれるといったことはあまり無い。

全体的にダラダラしていたが、本作では章立て構成にすることによりだいぶ解決出来ている。
ゲームボリューム自体も、短くなってしまったが、無駄に長かった前作より中身が詰まっており
いいものと思う。
これでもまだアクションゲームとしては冗長な方とは思う。

相変わらず、アクションゲームなのに、アイテムや経験値の概念があり
この辺りの問題点が全くそのままなのはがっかり。
レスポンスなどに改善は見られるが、この構造自体に問題があるのであって、
根本からなんとか見直しをかけて欲しかった。

ストーリーは、これ一本で完結しており、知識の全く無い人でも楽しめるよう工夫が施されている。
序盤から中盤までは、原作に沿った話が展開し、後半は全くオリジナルのシナリオへシフトする。
このシナリオ自体は、自己主張はあまり強くないため単体としては面白味に欠けるが
ゲーム全体のコンセプトからすれば良くできている。原作に興味を持たせるためとしては上出来と思う。
反面、熱心なファンからすれば物足りなさもある。

錬成ゲージを廃止し、ワンボタンで錬成出来るようになり、テンポ良く進めることが出来るようになった。
錬成出来るオブジェも近づくだけで表示されるようになったので、積極的に出せる。
ただ、前作に比べると全体の速度があがっているので
そのぶん反射神経を求められる向きもある。
難易度はそのため一部のボスで高まっており、シビアな操作を要求されるが、
テンポとしては良くなったように思う。

しかし、結局は沸いてくる敵を一掃させていく流れに変わりはないのでやっぱり飽きやすい。
敵の種類も少なく使い回しが目立つのも相変わらずである。
一応、イベント挿入やクリア条件などに工夫を凝らすなどの努力は見られるが
出てくる敵をただ倒しまくるだけという比重が強いのが問題なのである。
ここをどうにか頑張ってメリハリある作りに出来れば良かった。

作りがだいぶ丁寧になり、若干だが遊びやすくなっている。
映像面のクオリティも第一線をゆくゲームと遜色ない出来でようやく満足行くところまで持ってこれたのではないかと思う。
だが、一作目からここまでやって欲しかったのが本音っちゃ本音である。

前作から洗練されてはいるが、ゲームとしてはまだまだ改善の余地あり。





[2004/09/25-2005/04/12]
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