鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女


対応機種プレイステーション2
発売日2005/07/21
価格6800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2003 2005 SQUARE ENIX / RACJIN / 荒川弘 / 毎日放送 / アニプレックス / ボンズ / 電通
戻る

スクウェアエニックスから発売される3DアクションRPG、鋼の錬金術師も3作目に突入。
人気コミックを題材とした作品で、劇場版公開にあわせて発売された。

ゲーム内容は2ほどの変化はなく、新鮮味を感じられないマンネリ感が漂う。
完成された作品であれば文句もないのだが、改善の余地はまだまだ沢山あったわけで、そこら辺の作り込みもしっかりして欲しかったところだ。

おおまかな違いといえば、パートナーキャラのアルの操作が可能になったこと、
それに伴ってキャラを別々に動かして解く仕掛けが用意されたこと、
また、2人協力プレイが可能なタッグバトルモード(本編では不可)を付けたことでゲームの幅を広めている。
がしかし、特筆するほどのすばらしさは無い。
他では、クリア済みのマップにいつでも入れるようになったり。
いずれも、ほめれるほどの改良点というほどでなく、たいした違いはない。

さて、このシリーズでの根本的な不満点や問題点をここでは取り上げる。

まず、アクションゲームのくせに、体力回復の手段が少ない。
宝箱や敵が落とす回復アイテムをストックし、RPGのようにメニュー画面を開いて使うのと、要所に配置されたセーブポイントのみである。
これのせいで、不必要な飢餓感を味わわされる。何とかして欲しい。
せめて、取るだけで回復するアイテムボールを用意するぐらいして欲しい。
普通に遊んでいれば、クリアに必要な分の回復アイテムは手にはいるのだが、これのせいでどうにも保守的な動きをせざるを得ない。実に面白くない。

3作目にもなるとだいぶ改善されてきたが、相手がダウン状態のときは通常攻撃が入らないので、テンポが乱される。
無敵時間というわけでもなく、そこに当たる攻撃(錬金など)ではダメージを与えられるのだが、なんだか歯切れが悪い。
かといって、敵は沢山いるのでそっちに標的をうつして放っておくわけにもいかず、面倒。
あと、倒した時のエフェクトが経験値の表示だけなので、倒したかどうかがいまいちわかりにくい。

相変わらず、ゲームの殆どは種類の少ない敵をただ倒していくだけの単調な展開。
ひたすら作業的で退屈でつまらない。
マップも長く同じような構造のものの繰り返しですぐに飽きる。
ゲーム終盤の異常な長さは嫌がらせとも取れるほどのひどさ。

今回はキャラ切り替えの要素の追加でパズル的な箇所もいくつかあるのだが、
結局取って付けた程度なので、単純な仕掛けしか無く、ただの足止めにしかなっていない。
変に入り組んだ立体構造のマップでは、到達するのが困難な場所に宝箱や隠し部屋をおいてみたり、
この辺りの作りの実にセンスの悪いことか。イライラするだけだった。

2周目(しかも1周目より敵が強い)をやらないと画像マテリアルが配置されないのもなんだかねぇ。
一度見たCGはギャラリーに収録されるようになったが、この押しつけがましさもいい加減直して欲しいところだ。

ストーリーは完全オリジナルで本編との絡みはなく、本編の美味しいところだけを上手に料理した感じ。
知識が無くても問題なく楽しめる。まぁ、ファンとそうでない人との棲み分けは上手くいっているのではないだろうか?
ただ、イベントが多くちと見ているだけの時間が長い。
ゲーム自体も無理矢理ボリュームを出そうとしたような使い回しが目立ち、ちんたら無駄に長くつまらない。
この程度の物語なら、10時間弱で終わらせてもいいような気もする。

敵をロックオン出来る機能が付いたが精度はあまり良くない。ただ、飛び道具での攻撃やボス戦などで使える局面はそこそこある。
攻撃のコンボも見直され、これまでより若干ながらも気持ち安く遊べるようバランスが調整されている。

しかし、敵が特定の箇所を通過する、宝箱を取るなどの行動を取ることで突然上から降ってわいて出てくる嫌らしさはいただけない。
立体構造のマップで求められるジャンプアクションも、操作性が悪いくせに精密なものを求められるのもどうにかして欲しい。

技術的にも内容的にも一線のゲームにはとてもかなわない物真似ゲームの域を、とうとう3作目を持ってしても乗り越えることは出来なかった。
この程度で納得されて出されても困る。

進化の見られない駄作。





[2005/07/28]
戻る

inserted by FC2 system