コミカルなエッグモンスターが話題になったFCで発売されていた半熟英雄のSFC版。 全くストーリーの無かった前作とは異なり、完全に物語主導で進んでいく。 ゲームの合間合間には、劇場風の寸劇が繰り広げられ、非常にコミカルでほほえましい。 スクウェアの、特にFFシリーズを丹念に遊び込んでいたプレイヤーであれば ニヤリとしてしまうようなネタも随所に盛り込まれており、ファンサービスも忘れていない。 ゲームとしては、ごり押ししていれば先に進めてしまう簡単な物。 シミュレーションとしての深い戦略性などは全く味わえない。 FC版は、かなりシビアなゲームバランスだったのだが、 そんなこともあって全く別物のゲームになっている。 なんといっても本作の見所は、馬鹿馬鹿しいエッグモンスター達である。 前作でも出てきていたが、今回は大幅に数を増やし、そのエッグモンスター達を見て回るのが メインではないかと思うほど、力が入っていて面白い。 このエッグモンスターはFFで言う召喚獣のような位置づけで、 対人間戦では、圧倒的な力を発揮する。 中には脱力してしまうほど弱い「ハズレ」もいる。 ただ、ボス戦では、エッグモンスターを使うのが前提であるバランスが取られていて かなり緊張感溢れる戦いになっている。 攻撃時の演出が上手く「もういっちょ」「もういっちょ」と多段ヒットしていく様が堪らない。 まるで、パチンコのスロットを当てているような、心地良い瞬間だ。 すぎやまこういちの音楽も、本作のコミカルさに拍車をかけている。 戦闘時、フィールド、どれを取ってもドラクエでは見られなかった底抜けの明るさを見せる。 説明書などで見られるキャラクターデザインもツボを押さえた絵で、受ける箇所を分かっている感じだ。 (ここら辺、PS2版も見習うべきだった) だが、ゲームとしての作りは大雑把で、どうにも理不尽にストレスを受けるところもある。 ただ、独特の演出はかなり頑張っている節を感じることが出来て好感は持てた。