半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!


対応機種ワンダースワン(カラー専用)
発売日2002/02/14
価格5200円
発売元スクウェア

(c)1992 2002 SQUARE / すぎやまこういち
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コミカルなエッグモンスターを召喚し戦い合う抱腹絶倒シミュレーションゲーム。
スクウェア内部でも異色の作品、半熟英雄のSFC版が実に10年振りにワンダースワンカラーで復活。
ロマンシングサガに続く、スクウェアマスターピースのシリーズ2作目。

移植に際し、内容的にも容量的にもWSCのスペックでも問題ないレベルで、
再現度はかなり高く、ほぼそのままの雰囲気を出せている。
スクウェアのゲームといえば、まず目がいくのがグラフィックや音楽といった
見た目の部分であるが、この作品は見た目はそこそこに、中身で勝負をしていたために
そういう面での落差があまり気にならない。
さすがに音楽はSFCそのままというわけにはいかず、苦しい面もあるが
それでも巨匠すぎやまこういちの楽曲は、音質が少し落ちようが魅力は十二分に発揮しており、
安心して聴くことが出来る。

ロマサガでもあった追加要素だが、本作では新たに一般公募したエッグモンスターが
いくつか追加されている。
ゲーム仕様上、召喚するモンスターはこちらでは選べず完全依存であり、この追加によって
一部モンスターの召喚条件が変更されているが、追加モンスターは普通にプレイしていれば
序盤〜中盤で登場するところに配置されており、これによって難易度が上がるとか下がるというような極端なことは起きていない。
ただ、追加されたといっても経験済みプレイヤーがそれを目当てに遊び直すといったほどではなく
本当にオマケ程度の追加なので、過剰な期待を抱けるほどの物では無い。
また、版権絡みの台詞は入念にチェックが入り、抑えめのものに直されるなど
SFC版のはじけたノリが今ひとつ弱くなっている面もあるのは残念ではある。

さらに、クリア後の特典として、将軍図鑑、エッグモンスター図鑑、サウンドテストが
タイトル画面のメニューに追加される細かさも見せる。

リメイク移植ではなく、移植なので、基本的にオリジナル版に準じた作りになっている。
そのため、メニュー画面のインターフェースの若干の配慮不足な部分や理不尽さの残るゲームバランスもそのままである。

オリジナル版発売当時からも古くささのあったイベントシーンは、
10年という歳月を経て、もはや一周回って逆に新鮮さが漂うほどである。
相変わらず、無茶苦茶なテキストは豪快で、面白く時代が変わろうとも色褪せずに楽しめる。

WSCの画面サイズの関係上、フィールドマップでは画面が狭く全体の状況が把握しづらい不便さがあるが
戦闘画面はその小ささを感じさせない工夫が施してあり好感が持てた。

移植度が高いとはいえ、わざわざWSCで遊ぶほどの物かなとは思う。
新規プレイヤーに向けるにしても、逆に昔のままという面が足枷になる。

SFCは持ってないけど、WSCは持っている人はどうぞ。





[2005/04/08]
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