ヘビーメタルサンダー


対応機種プレイステーション2
発売日2005/09/01
価格6800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2005 SQUARE ENIX / Media.Vision Entertainment / How Full's
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テレビ東京の深夜番組「ヘビメタさん」のタイアップ作品。それが「ヘビーメタルサンダー」である。
ゲーム制作を「ワイルドアームズ」シリーズのメディアビジョンが担当している。

ヘビーメタルを題材にしたものという以外、いまいち内容の分からないゲームであったのだが、
ようは、制限時間付きの後出しジャンケンなロボットバトルである。
一応、ロボットカスタマイズの概念があるが、クリアに必要なアイテムが勝手に手にはいるので、
意識していじる必要は無し。装備箇所が多い上に、ウィンドウ周りの使い勝手も悪いので、積極的にやる気になれない。
また、独特の世界観を持ったゲームなので、直感的に何がどう影響を及ぼすのかがはっきりしないのも問題。
そもそも、ゲームとしての難易度はかなりぬるいので、ちょっとゲームルールを覚えれば、簡単にクリア出来てしまう。

ゲームも大半はムービーを見るだけであり、エンディングも僅か2時間足らずで到達する短さである。
パッケージによるとムービー収録時間が70分ということで、ゲームそのものは、その中でどれぐらいの時間やっていたのか疑わしいぐらいだ。

シミュレーション的な要素も無しに等しく、ゲームとしてもボリュームが無く短い。
頼みの綱のリアルタイム・ロボットバトルも、ミニゲームレベルの単純さ。
このように、ゲームとしては駄作、詐欺レベルの酷さである。

しかしむしろ、本作はムービー映像や音楽といった視覚的部分に力を注いでいるように感じられる。金もどちらかというとそっち方面につぎ込んでいる感じ。
総合演出にハウフルス(マジカル頭脳パワーなどの1990年代の日本テレビのクイズ番組を制作してきた会社)に、
アニメーション制作をサテライト(地球少女アルジュナや創世のアクエリオンを制作したアニメ制作会社)に依頼する豪華さである。
テレビ番組を見ているかのようなテロップの表示や、演出の数々。内容自体は空回り気味だが、映像のクオリティはなかなか高い。

勿論、音楽はヘビーメタルであり、作品中もっとも力の入っているところだ。
クリア後の追加要素で、ムービー鑑賞だけでなく、サウンドテストも入れて欲しかった。
戦闘シーンで流れる曲が一番豪華なのだが、このときゲームに忙しくてじっくり聴くことが出来ないのである。

これはもう、この内容のものをゲームとして送り出すべきだったのか?という時点の話まで遡ってしまう。
映像や音楽を楽しむ作品なので、DVDという形で発売し、もっと映像作品としての質、量をともに充実させていくべきだったのではないかと思う。

ちなみに、ゲームプロデューサーが「鈴木爆発」や「疾風ヤンキー魂」といった異色作品を世に送り出してきた安藤武博だと書くと、分かる人には何となく納得して貰えると思う。
そういう感じのノリのゲーム(バカゲー)である。

ゲームとしては壊滅的。いわゆるムービー鑑賞作品。映像作品として出すべきだった。





[2005/09/01]
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