対応機種 | プレイステーション |
発売日 | 1999/01/28 |
価格 | 5800円 |
発売元 | スクウェア |
ハードテクノのBGMに酔いしれながら、幾何学的なデジタルアートのビジュアルでシューティングを楽しむ、異色なコンセプトのゲームだ。
さすが、グラフィックのスクウェアということもあり、この手のゲームを作るといい仕事をする。画像的クオリティがとても高く、見ごたえがある。
画面レイアウトもお洒落でとても綺麗にまとまっている。素晴らしい。
技術レベルも悪くなく、全編ハイレゾ(高解像度)でありながらフルポリゴンの映像が60フレームで滑らかに動く。ディスクアクセスも感じさせない快適さで、非常に良く出来上がっている。
ただ、ゲームとしてどうか?というと、正直な所、物足りなさが残る。
シューティングゲームなのだが、チューブ状のフィールドを横移動しか出来ない自機を使って奥へと強制スクロールしていく、という他では中々見ない独特な作り。
見た目的には3Dだが、自機は横方向にしか動けない(視点が回転する)ので、システム的には2DのSTGである。
ボス戦では、視点が変わり、上下左右に動けるようになるが、その代わりにz軸(高さ)の移動が出来ないので、やはり2DSTGと言って差し支えない。
横方向にしか動けない上に、自機のパワーアップという概念がない。ただ、予め用意されたショットを切り替えて遊べるようになっている。
シューティングゲームとしては、敵の数や種類が少なく、敵を撃ち倒していく爽快感に乏しい。
難易度もノーマルであればそれほど高くなく、ミス回数が少なければ少ないほど、ガンガン1UPすることもあり、ちょっと慣れると余りある残機数によって緊張感もなくなる。
かといって、楽なゲームかというと、そういうわけではなく、一部箇所で妙にシビアな局面があるのが、野暮ったい。
音楽に酔いしれて、トリップしながら気持ちよく遊ぶのがコンセプトならば、全編ゆるい作りでも良いだろうとも思う。
特に敵の弾を避けるのがきつく、大抵、至近距離、近距離で弾を吐かれることが多く、ボス戦では高速弾がばらまかれるパターンが非常に多い。
不規則に弾を放ってくる事が多いので、プレイ回数を重ねても、うまくなったという実感もあまりない。急に弾を発射されてそれに対応するというバランスが、理不尽さを感じた部分だ。
また、くどいギミックなんかも終盤に多く、素直にシューティングやらせてくれよ!!と感じてしまう。避けの場面が多いのもちょっと...と言う印象を持った。
手持ちの音楽CDと入れ替えてBGMを差し替える機能もついている。だが、残念ながら本編(全8ステージ)では使えない。専用モードで遊べるようになっている。
最も、入れ替える機能がなくても、元々のBGMがかなり良いのであまり気にならない。
ビジュアルもBGMも良い、プログラムレベルも高い、企画も尖っていて面白い。だけどなんかイマイチなのは、核となるシューティングとしての面白味に乏しいからではないだろうか。そこで結論。
クオリティは中々だが実験作止まり。