ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジーinいただきストリートポータブル


対応機種プレイステーションポータブル
発売日2006/05/25
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA / THINK GARAGE
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堀井雄二原案でおなじみの、いただきストリートが出張ポータブル!PSPで発売。
キャラクターはもちろん、天野シロデザイン画によるドラクエ&FFのコラボレーションで送る豪華版。

見た目の通り、完全新作という割に、変わりきれていないのが実直な感想。
いたストは、ファミコン時代から連綿と続くシリーズなので、すでに完成されているという面もあるのだが、前作のPS2版のときのような、新鮮さにはいささか欠けるところだ。

たとえば、新モードの「クイックモード」があるのだが、使えるのはフリーモードのみで、しかも一人用モードをある程度プレイしないと使用出来ないひどさ。
この、クイックモードは、最初の持ち金が目標金額の半分持っている状態から始まるもので、ようは、短期決着を目的としたモードである。
最初から沢山お金を使えるので、序盤の膠着状態をスキップして、変動が激しく、かつ、短めにプレイ出来るのだが、いかんせん地味な内容である。

あとやっぱり、こういうモードがあるなら、一人用のバトルロードで、ぜひ適用させて欲しかったのだが。もー、時間かかってしょうがない。
このゲームは、昔からそうだが、一試合一時間と相場が決まっているので(対人戦だとさらに長い)、携帯機で時間的な欠点を考えていたなら、もっと積極的に改善に乗り出して欲しかった。

分量的にも、マップも減った(一部使い回し)、キャラも減った、音楽も減った、スフィアダイスも無い(もしくはそれに代わる新ルールのゲームモード)、これでは縮小再生産と言われても仕方がない。
どうも、定価が安いから中身もそれ相応に手抜きした気がする。最初本当に詐欺られたかと思ったほどだ。
サウンドテストもサントラ買わせたい意図があるらしく、削除されている。

特に収録キャラクターは、妙に偏りがあって、FF12とDQ8のキャラ比重がやたら高く、この2作品のメンバーをただ出したかっただけじゃないのかと疑りたくなるほどひどい。
その他過去作のキャラは、本当に人気投票で上位を占めるようなのだけが居残り、つまりは美男美女率が異常に高い。
クリフトやフローラまで消して、なにも、ヤンガスやマルチェロ(DQ8に出てくるんです)を出す必要は無かろうに。マルチェロなんかDQ8をプレイしてたけど、すっかり忘れてたぞ。
評判のあまり良くないFF12のメインパーティ6人もしっかり勢揃いというイマイチさ。いまここで言うが、FF12のバッシュというキャラ、仲間になるなんて思っても見なかった。それぐらい、個性の弱いキャラ。
PS2版だと、全作品のキャラクターをまんべんなく(かたよりなく)出演させようという意気込みが見られたが、なんだかその辺のバランスが本作では極端で、どうにも盛り上がらなかった。
スコールもリノアもいない、キスティス先生がいるー!と思ったら、チュートリアルだけ。さびしー!

そして、ゲーム開始までのローディングの致命的な長さ。起動時なんか1分はたっぷり待たされる。
まず、メニューからゲーム時の順番決める画面へ変わる読み込みが30秒近く。そのあとすぐにマップ読み込みにまた30秒近く。PSP「リッジレーサーズ」なんかよりも、よっぽど長い。
最近のゲームでは一番の劣悪さでは無かろうか。これにはさすがに呆れた。

そんなPSPの性能に、色々縛られて苦労した後も伺える。
チャンスカードの絵柄はFC時代のドット絵で、レトロでいいねーというよりは、なんとか限られたメモリに納めようという苦肉の策に感じられる。
もっと露骨なのは、カジノマスの発生ゲームがランダムだったのが1ゲーム一種類に固定(種類自体は複数)になっていること。
このミニゲームも、やたらドットが荒かったりして、強引にねじ込んだ感じがする。

しかも、Wi-Fiにも対応してないから、ネット対戦も出来ない、シェアリング出来ないから1カートリッジでの対戦も出来ない。
1カートリッジで対戦するなら、ひとつの本体をまわしてプレイという原始的手法。ふ、古すぎるッ!!PSPはハイテク機だったんじゃないのか!?情けなくなってきたぞ!インターネットブラウザはついているのにねー。

こんなに苦労してるなら、PSPでこだわらずに、DSの方が良かったんじゃないか?やっぱり、いろいろとまずいか!?

どうも、一人用モードのバランスは、初めての人には急勾配でちょっと厳しいようだ。かくいう自分も、最初の方のコースで余裕かましてたら負けたぐらい。
長時間やりあって、先に進めなかった時の絶望感を払拭させるためか、最後までプレイするといただきコインというものが手に入る。
これを規定数使って、隠し要素を出現させていくのだけども、結局一定のところまで進めないと、買える要素が増えないし、下手なプレイだともらえるコインも非常に少ない。なんちゅうか、ブービー賞みたいなのも欲しかったのだが。
しかも、この買える景品自体が、さして数は多くなく、中盤ぐらいには余るほどだ。一応、上級カップをプレイするのに大量のコインを必要としているが、一般的な難易度で満足するプレイヤーには無意味だろう(エンディングまでのコースで参加費を取られるものはない)。
最強キャラクターの項目(コイン消費で好きなキャラを強くする事が出来る)なんかは、あまりに寂しいもんだから、しょうがなくくっつけたような印象だ。

結局は、既に発売されているPS2版の劣化バージョンでしかない本作を、敢えて遊ぶ意味はない。内容的にもややマニアックだし、そこまで熱心なシリーズファンなら、一応全マップ新しくなっているので、やる価値はあるのではないだろうか。
そこで、結論。

PS2版で十分。





[2006/06/05]
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