ジャック×ダクスター 旧世界の遺産


対応機種プレイステーション2
発売日2001/12/20
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2001 Sony Computer Entertainment / Naughty Dog
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奥スクロールアクションとクラッシュバンディクーを生み出した、海外ソフトハウスNaughty Dogが箱庭3Dアクションを作る!
プレイステーション2のハードウェア技術を得て、どれほど進化したゲーム性を見せてくれるのか、興味深い作品だ。

クラッシュといえば、プレイステーション黎明期に強烈な個性を持ったキャラクタとして定着した人気シリーズなのだが、
キャラクター権利をコナミに持って行かれたらしく、仕方なく別作品を新たに作っている。
ちなみに、そのクラッシュバンディクーは、最新作の4が同じく箱庭アクションとして同日発売という、ライバル心むき出しの状態である。

ゲーム内容はまあ、「スーパーマリオ64」の系譜に乗っかった物だ。この辺り、奥スクロールアクションだったクラッシュシリーズと比べると、独自性が薄れたと言わざるを得ない。
また特に、レア社「バンジョーとカズーイの大冒険」に非常に良く影響を受けているように感じる。
操作キャラクターが人間とイタチがコンビを組んでいるところとか、アクションよりもむしろ、アドベンチャーの比重が強いところなど。

ただ、こちらの作品は、この設定がまるで生きてない。ゲーム的には、ただ一緒に行動しているだけであり、これはもったいないと言える。イタチのキャラが何か特別なアクションをするなどは一切無い。
一応、イタチは要所要所でヒントを言ってくれたりするのだが…。個人的にはもっと、愛嬌あるキャラとして、無駄話を多く挟んで欲しかった。
逆に、ずっとプレイしていると風景が朝から夕方に、夜に、と移り変わっていくのは良かった。それも、それがゲームに介入しない(夜にならないとフラグが立たない等)のもうざったらしくなく良い。
和製のゲームだと、なにか作ると、それをどうにかしてゲームと絡めたがるのだが、この辺りの感性は実に海外らしいといえる。

イベントシーンはフルボイスで字幕無しのスタイルなのだが、ローカライズが下手くそなせいか、台詞がちっとも頭に残らない。
声優の吹き替えも、妙に早口で聞き取りにくい。ゲーム序盤のシステム解説を兼ねたシーンのひどさったら無い。

3ライフ制だが、1回復させるのに、50個ものグリーンエコ(回復アイテム)をとらなくてはならない。これはあまりに道のりが遠すぎる。
かなり意識的にやっても50はたまらない。逆に、一発死の穴などが多く、ライフ制はあってないようなものとなっている。有り体に言えば、じゃまくさい。
せっかく残機制をなくしているのに、この辺のルール付けが下手くそなので、チャラ。復活ポイントやマップ構造も納得がいかない箇所が多い。
せめて、スタート地点に戻れる機能は欲しい。「バンジョー2」では、ワープ装置など非常に良く考えて配置されていたのだが。

グラフィックは中々綺麗で、60フレームでなめらかに動くこととあわせて、気持ちよくプレイ出来る。
しかし、綺麗すぎて構造が把握しづらいところも目立つのが気になる。
アクション操作も大味で、重複するアクションなど意味のない物が多くあり、雑である。
倒せない敵キャラが当たり前に徘徊していたり、海外もの独特の作風について行けない局面も結構多く、どうにもなじめない。
この手のゲームにしては、パワーエコ(マリオ64で言うパワースター)などが、あっさりと手に入ってしまう難易度の低さ手軽さなんかも手応え感に欠ける。
アクションつまらない、アドベンチャーいまいちでは、パワー不足と言わざるを得ない。

なんというか、外人がゼルダを作ろうとすると、きっとこういう感じになるのだろう。そんな欲張りっぽさが目立つゲーム。
お国柄の違いがここまではっきり目立つゲームも珍しい。これを見てしまうと、日本のゲームが外国で受けているのが奇跡とさえ思える。
もちろん、日本でも売るつもりで作ってきてはいるのだろうが、それでもかなりの距離感を感じた。

頑張りは見え隠れしているが、本家任天堂ブランドに比べるとまだまだ。

もっともっと精進すべし!





[2006/07/25]
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