かまいたちの夜


対応機種スーパーファミコン
発売日1994/11/25
価格10800円
発売元チュンソフト

(c)1994 CHUN SOFT / 我孫子武丸 / ピンポイント
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弟切草に続くサウンドノベルソフト第二弾となる「かまいたちの夜」。
この作品で、同ジャンルの爆発的普及を果たし、比較的開発しやすい点とあいまって、他社から続々と亜流品が発売される影響を及ぼした一品。

個人的には、弟切草は、あのあみだくじ方式のゲーム展開が好きになれなかった(ああいう方がゲームらしいとも言えるが)のだが、今作は、選択肢による分岐は完全に固定され、
理詰め、あるいは、選択肢つぶしを行うことで、確実にほとんどのシナリオを読むことが出来るようになっている。

殺人事件を早い段階で解決することで、ほかの隠しシナリオへ進める選択肢が追加される(デモ画面でバラしちゃってるが)。
これは、当時としては新鮮な試みで、舞台も登場人物も同じなのに、まったく異なるテイストのシナリオを楽しめるというところが、とても高く評価された。
そのためか、事件への推理力そのものは、それほど高いものを要求されない難易度で、鈍感な人でも終盤であざといほどのヒントが与えられるため、それほどやり込まなくても超えられる作りになっている。

テキストにしろ演出にしろ、場をわきまえてる感じで、実に完成度が高い。
実写をSFCに落とし込んだ背景は、取り込み精度の低さを逆手に取った感じで、リアルすぎずな絶妙な雰囲気を醸しだし、青いシルエットキャラクターとあわせて、想像力を喚起させる。

サンプリング音源を駆使した効果音の演出の懲りようは相当なもので、ガラスが割れる音から時計の針の音まで、なんでもござれなすばらしさだ。
ヘッドフォンを付けて遊ぶと、改めてそのリアルさに驚かされる。

常にオートセーブされ、読み戻しの出来ないことから来る緊張感、プレイヤー=主人公を巧みに利用した演出技巧などなど、サウンドノベルのひな形を形成した作品と言っても言い過ぎでない。

時代を代表する作品の一つ。





[2006/09/26]
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