対応機種 | プレイステーション2 |
発売日 | 2005/12/22 |
価格 | 7770円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
FFキャラとディズニーキャラの夢の競演。押しに押されぬ勢いで続編の登場だ!
全てにおいて正統進化を遂げた豪華絢爛、きらびやかなゲーム内容が注目どころの本作。
どうもこの手のゲームを作るコツを完全に会得したらしい。
客層も完全に把握してるらしく、古めのいかにも「ディズニー作品」以外に、「パイレーツオブカリビアン」といった洋画にもチャレンジしており、驚かされる。
特に、一言で片づけてしまうが、前作で不満点に挙げられた箇所を筆頭にストレスの元を完全に排除されている。
簡単に出来そうなことだが、実現するのは困難な事柄であり、とにかく気持ちよく遊ばせてくれる。
具体的には、マップの造形のスリム化やカメラワークの改善といった辺りは見違えるほど良い仕事をしている。
マップに関しては複雑な構造のものは廃止し、段差から落ちて遙か前のエリアからやり直しといった手落ちがなくなっているし、レーダーマップ機能も搭載された(周辺の地図を入手しないと表示されないが、最初から表示させても良かった気がするが)
カメラも右スティックで実に軽快に動かせるし、操作しなくてもそれなりにいい位置に勝手に動いてくれる。
壁に引っ掛かっておかしな動きをすることも殆ど無いし、めざましい進化を遂げたと言えるだろう。
根本のゲームシステムに違いはないが、途切れなくイベントが発生し、非常にテンポがいい。
綺麗なムービーと、派手なエフェクトで気持ちよくプレイする。まさにPCエンジンのビジュアルRPGと原理的には同じである。
戦闘シーンも、淡々とならない工夫が施され、ストーリーとの結びつきを強めた仕掛けをふんだんに盛り込んでおり、飽きずに最後まで楽しめる。
ゲームのバリエーションを出し過ぎたせいで、訳の分からないままほっぽりだされて知らぬ間にクリアしてしまったという局面も少なくなく、もうちょっと踏ん張って欲しかったところだ。
ただ、前作であった“何をやったらいいかわからなくなる”現象が解消されてるのは好感触。
だが、イベントムービーに関しては、ほぼ全てがリアルタイムデモで展開されるのだが、ゲームの巨大さゆえあとから付け足さざるを得なかったのかテキストでやりとしている場所も多くあり、
恐らくかなり慎重に打ち合わせをしていっただろうが、フォローしきれなかったのだろう、一部のイベントがテキストで見せているのは違和感バリバリでかなり気になった。
難易度も強力な攻撃コンボが揃ってるせいで相変わらず低めで、特にミニゲーム関係は低すぎないか?というところもあるが、まぁ幅広い層がプレイするのを考えると妥当だろう。
しかし、一部のボス戦が相変わらず理不尽で極端に難しいのは絶対に直すべき点であった。ほぼ回避不可能な攻撃をガンガンはなってくる辺り、感覚が狂ってるとしか思えない。
もう、この会社はアクションゲームを上手く作れないんだから、ごり押しの派手派手なエフェクトでガチガチに装飾を施した似非アクションの路線を目指した方が良い気がする。
ここまで作り込んでいるのに、肝心のアクション部分だけが、前作とたいして変わらずボタン連打で済んでしまうのは問題で、もはやここが限界点としか思えない。
とにかく偉い作り込みで「そこまで作っているの?」と思わせるほど凝っている。無駄とも思えるところも感じられるが、それだけの意気込みを感じる。
ミニゲームも流用したのばかりでなく、結構な数を一から作ってるっぽく、よく一本のゲームにここまで入れ込んだなという感じだ。
特に、前作にもあった片手間に作ったようなシューティングステージの力の入ようが素晴らしく、今作のはお世辞でなく3DSTGとしてそのまま商品化出来るほどのレベル。
多分、相当金掛けてるんだろうと思う。近年なかなか見ることの無くなった恐ろしいゲームである。
自分なんかもうすっかり捻くれてしまったものだから、細かい粗ばかり探してしまうのだけども、このゲームに関しては、そういう点が悔しいが見受けられなかった。
非常にしっかり出来ている。完璧というほどではないが、力業のグラフィックや膨大なムービーによって、「これもアリかな」と思わされるパワーを持っている。
まぁ今作でのシステムでの不満点といったら、後から無理矢理付け足したかのような「ドライブ」の要素だろう。
そもそも本編がゆるいので、変身する必要がないし、イマイチ変身後の違いが実感しにくい。どーも自己主張の弱いシステムである。
特定の条件で発生するリアクションコマンドが、よほど画面を注視してないと気づけないために使えない。
一応、△ボタンを画面上に目立つように表示させる工夫はあるのだが、そもそも場面展開が目まぐるしいこのゲームでは、あまり役に立っていない。
音で使える状態になったのを知らせてくれると凄く良かったのだが。
視点関係が改善されたと言っても、ロックオン機能が相変わらず使いにくいので、この辺りも直して欲しかった。
ストーリーは、過去作との関連が少々多いが、単体でも問題なく楽しめる。
ただ、この会社お得意の「詳しく知りたかったら前作を買って下さいね」商法がかいま見え、嫌らしい感じだ。
イベントムービーの分量が異常に増えたのと、前作以上に強引さを増した強制的なゲーム展開はどうかとも思うが、
ストーリーで引っ張るゲームを目指した場合、犠牲にしなくてはならないとこでもあり、難しい点でもある。
それでも、頻繁にゲームパートに引き戻してくれるので、悪い気はしない作品に感じた。
そこで、結論。
まー、こういうゲームがあってもいいんじゃない?かろうじて良作。