キングダムハーツ Birth by Sleep ファイナルミックス


対応機種プレイステーションポータブル
発売日2011/01/20
価格5800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2010 2011 SQUARE ENIX / Disney
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キングダムハーツ毎度恒例のファイナルミックス(海外版に追加要素を加えた完全版)バージョン。
まさか外伝である本作でもこれを出すとは思わなかったため、意外であった。

この会社は、こういった完全版をよく出しており、追加された要素が豪華で、別ゲームに新エピソードを乗せてみたり、
システムとゲームバランスを全面的に再調整するなど、既にプレイ済みのユーザーにも再プレイを促すぐらい手を施して、うまい売り方を分かってきた作りになってきていた。

しかし、ここ最近は業績悪化のせいもあり、予算が出なくなったのか、購買欲をそそるほどインパクトの強い追加要素がなく、わざわざ出すほどでないケチ臭い作品ばかりである。本作も例外ではない。

主にやり込み要素の追加がメイン。隅々までプレイする熱心なファンなら楽しいかもしれないが、そうでない人への恩恵は殆ど無い。例えばシリーズが好きでもエンディング見たぐらいで満足する程度の人間にはこれといった売りはない。
高難易度の追加、隠しボスの追加、アイテム/特殊能力の追加といった、あんまり金かけなくても作れるようなモンばかり。追加エピソードはクリア後のおまけダンジョンみたいな位置にあり、遊びたいと思えなかった。
他には各地にばらまかれたステッカー収集があるが、キングダムハーツ2ファイナルミックスのパズルピース集めほど集めて楽しいと思える代物ではなかった。

英語音声だが、一度見たイベント映像を自由に見られるシアターモードでは日本語音声に切り替えて視聴できる。つまり、日本語音声もデータに入っているのだ。
キングダムハーツ2ファイナルミックスでも同じ仕様で、全く同じ指摘をしたのだが、それならばなぜ本編のゲームプレイで日本語音声と切り替えて遊べるようにしなかったのか理解に苦しむものだ。

これも毎回言っているが、オリジナル版のデータ引き継ぎ機能もかたくなに入れようとしない。新しく作ったシークレットムービーを簡単に見られたくないからなのだろう。
英語音声に固定していることもそうだが、隠しムービー見るほどまでやり込むコアファン(言い換えれば大事なお客様だ)へ敢えて苦行でも強いているのではないだろうか?それをありがたがって遊ぶファンもファンだ。と、個人的には思うが、楽しんで遊んでいるのなら、それはそれで正しい形なのだろう。端からみると実にいびつな光景としか思えないが。

近年このシリーズのやり方について苦言を呈しているが、なぜならなんでも肯定的に受け取る盲目的なファン相手に商売を行っている節があるからだ。それで商売がなりたっているのだろうから、方向性は間違ってないだろう。
だが、いつまでも後付け設定を小出しにした焼き直しのゲームばかり出し続け、本当に面白いものを作ろうとしない、同人ゲームのようなノリに強い反発を覚えている。こんなやり方続けていても先細るばかりでシリーズはいつか壊滅する。
一作目が売り出されたとき、あらゆる部分が荒削りではあったものの、磨けば面白くなるゲームだと感じたものだ。それが、どこかで道をたがえたとしか思えない現状に落胆せざるを得ない。そこで結論。

シリーズ大好き人間以外は買う価値なし。





[2011/01/23]
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