キングダムハーツHD1.5リミックス


対応機種プレイステーション3
発売日2013/03/14
価格6980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2013 SQUARE ENIX / Disney
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「キングダムハーツ ファイナルミックス」「キングダムハーツ Re:チェインオブメモリーズ」「キングダムハーツ 358/2 Days」の3作品をHDリマスター化して復刻。
詳細はそれぞれ後述する。

単なるHDリマスター(高解像度)化だけでなく、トロフィー機能に対応させたり、一部古臭いインターフェイスを今風に改善するなど、「プレイステーション3」で遜色なく遊べるように最適化されている。

「キングダムハーツ ファイナルミックス」は、シリーズ1作目のことだ。
日本版ではなく、後に追加要素を付けて再発売したインターナショナル(北米)版の方を収録している。
しかし、ボイスは英語音声ではなく、日本語音声となっている。ここらへんどうせならせっかくのブルーレイディスクなのだから、二ヶ国語収録を実現して欲しかった(値段が跳ね上がるか!?)。

視点操作がL,Rボタンで回転させる一昔前のタイプだったため、右スティックで操作出来る方式に変更。また、プレイヤーキャラクタの操作性(コマンド操作)も、最近のキングダムハーツの方式に改良され、オリジナル版と比べかなり遊びやすくなっている。

だが、細かいことだが、復刻版という位置づけのため、オリジナル版の操作もオプションで切り替えられるようにしておくべきではないかと感じた。
この操作が、昔の物より洗練されていることは確かだが、再現性という観点から言えば、元の作品の操作性も再現されている必要がある。デバッグが面倒かもしれないが頑張って再現して欲しかった。

「キングダムハーツ Re:チェインオブメモリーズ」は、「キングダムハーツ2 ファイナルミックス+」に収録されていたゲーム。
内容的にはGBAで発売された「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」を、PS2でリメイク移植したものだ。
ただし、単品での販売はなく、「キングダムハーツ2 ファイナルミックス+」の追加要素(ゲーム)扱いだ。

こういう位置づけで作られたため、どこまで言っても豪華なミニゲームと言った色合いが抜け切れていないのが残念な所だ。

また、「チェインオブメモリーズ」自体、厳しい言い方だが、2の設定を体よく先出ししているものの、基本的に1のストーリーを追体験するような内容になっており、ストーリーがかなり重複している(細かい部分が違っているが終盤以外ほぼ同じ)。
ゆえに、シリーズファン向けの作品になってしまっている。
断っておくと、元々GBAでキングダムハーツが遊べる!!という触れ込みで制作されたため、オリジナル版にはそれなりの価値はあった。

ただ、今回の場合、収録ラインナップのチョイスに難があると言わざるをえない。

「キングダムハーツ 358/2 Days」は、2009年にニンテンドーDSで発売されたゲームだが、本作ではゲーム部分は入っておらず、ストーリーのみを楽しめる映像作品として収録された。

イベントシーンのみを抽出し、基本的にテキストベースだったゲームだが、新規に声を撮り下ろして大半をイベントムービー化するなど、かなり力が入っている。

映像作品と銘打っているが、アニメや映画のような感覚で見れるほど鑑賞に耐えうるものではない。
元々の内容がそうだったというのもあるが、セットが圧倒的に少なく同じ場所のシーンばかりだし、登場人物も少ない。激しいバトルシーンやスペクタクルシーンはなく、簡単な会話のやり取りが大半を占める。
急ごしらえで制作したせいもあるのだろう。手間の掛かりそうなシーンは、テキストで間をつなぐなど、少々苦しい場面も見受けられる。合計約3時間というのも全部見るにはちょっと長くてつらい。

ボスが派手派手しく登場するシーンの直後に、ボス戦を省略して、すぐボス撃破シーンが流れるという間抜けな構成もあり、
つまりは、ゲーム上のムービーシーンを連続的に再生して、それを見ているという前提を受け入れる必要がある。

なぜ1本だけ、ムービー集にとどまっているのかといえば、大人の事情というやつだろう。
元々DSのゲームだったうえに、独自規格のゲームシステムが組まれており、移植しようとすると1本分のゲームが作れてしまうほど手間がかかる。
これではHDリマスターとして手軽に売るには、余計な工程が大幅に増えて割に合わなくなってしまう。

しかし、だからといって「358/2 Days」を削った2本のカップリングで売るには、少々商品としては弱い。
既に指摘しているが、「キングダムハーツ ファイナルミックス」はともかく、「Re:チェインオブメモリーズ」は、所詮は追加要素のおまけゲームだ。
いくら1本のゲームとして十分販売できるぐらい豪華だろうといっても、やはり限界がある。

手をかけているのはわかるのだが、やはり価格が高い。HDリマスターで6980円というのは、キツイ。
ディズニーへの版権料、単なるカップリングではなく、その分プラスアルファが多いなど色々事情はわかるのだが、
この手の商品はカップリングで5000円前後というのが相場なだけに、なんとかそこに近づけるように努力をして欲しかった。

個人的には、素直に1と2をカップリングで出して欲しかった(このシリーズの特徴として外伝作品は熱心なファン向けといった趣が強い)。
自信を持ってお得なゲームソフトと言えないのがつらい。そこで結論。

値段も高く、収録ソフトも微妙。未プレイの人にこそ買って欲しいのだが、実に惜しい。





[2013/03/20]
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