KNACK


対応機種プレイステーション4
発売日2014/02/22
価格4900円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2014 Sony Computer Entertainment
戻る

「クラッシュバンディクー」「アンチャーテッド」等、ノーティドッグのゲームを手がけてきたマーク・サーニーによる渾身の一作。
プレイステーション4専用タイトルとして作られた、痛快アクションゲーム「KNACK(ナック)」だ。

固定視点タイプの、3Dアクションゲーム。基本1本道のフィールドを奥へ奥へと進めていく奥スクロールアクションだ。
オーソドックスなアクションゲームだが、ストーリー重視のスタイルを取っており、要所要所でカットシーンが入り、ストーリーに沿った形でゲームが進行していく。

これといって特徴的なゲームシステムはないが、強いて言えば、主人公のナックが、フィールド上の特定の場所から得られるレリックを身体に取り込むことで、巨大化し性能が変化していく要素がある。
しかし、ほぼゲーム展開によって、身体の形態が固定化してしまっていて、工夫の余地がないことが残念と言える。
最初は豆粒のような小さなキャラクタだったのが、最終的にはゴジラばりの巨大ロボットにまで大きくなり、屈強な敵をなぎ倒していくギャップは面白い。

グラフィックは、クレイアニメのような質感で綺麗だが、描画が30フレームで、テクスチャーもどことなくのっぺりとしており、地味で派手さがない。どうも、主人公のナックの描写にマシンパワーを割いているせいらしい。
また、キャラクターデザインがアメコミ風でケバくてイマイチ。加えて、ストーリーにも華がなく、魅力が無いのも、辛いところと言えるだろう。

肝心のゲームも、底が浅く、薄っぺらで、大味な操作性とゲームバランスなど、プレイ感覚としては作業的で苦痛感が否めなかった。
敵とギミックの種類が少なく、ステージが変わっても、同じことの繰り返しなので、飽きてしまうのだ。
たいていは、目の前の敵を全滅させることで、閉ざされた扉が開き、先へ進めるようになる展開ばかり。

ゲーム自体には、それなりのボリューム感はあるのだが、今指摘したように、プレイヤーが先へ進む上で行うことに対してバリエーションが極端に乏しいため、段々と退屈になってしまう。
ゲームバランスがそもそも大味なので、達成感も得られにくく、やらされてる感が強いのも、原因の一つと言える。

ただ、このゲームは、決して出来が悪いわけではない。押さえるところは押さえているし、カメラワークや演出、敵とのバトルなど、一定以上のクオリティを維持している。
しかし問題なのは、出来は悪くないが、面白くもないといった位置にあるゲームである点だろう。

何も考えずに遊べる、気軽なアクションゲームを目指したとのことだが、そのコンセプトが、このゲームの全てを物語っていると思う。

どちらかと言うと、ユーザー向けというより、ゲーム開発者向けにプレイステーション4専用ゲームのデモンストレーションといった位置にあるゲームなのだろうと考えると、納得の行くものと言える。
一応、トロフィー対応で、タイムアタックや難易度選択、隠されたパーツ集めなど、やりこみ要素も完備しているので、遊べないゲームではないが、極めたくなるゲームとも言えないだろう。

ちなみに、主人公の体力が低いことや、敵の挙動のいやらしさなどで、意地悪さが目に付いたため、ストレスの溜まるバランスになっているように感じた。それから、全体的に練り込み不足が目立って見られたのもちと辛い感じがした。
後、洋ゲー的な色が強い作りになっているが、日本人主導で制作されていることにも、驚いた。そこで結論。

手厳しいが、遊ぶ価値はないゲーム。





[2014/03/08]
戻る

inserted by FC2 system