対応機種 | ファミリーコンピュータ |
発売日 | 1990/08/11 |
価格 | 6800円 |
発売元 | バンダイ |
カードダスが大変なブームとなったナイトガンダムをゲーム化したものである。
ジャンルはロールプレイングゲームだ!
元々原作がRPGを意識した作りだったため、ピッタリなチョイスかとおもいきや、意外と難産な題材を選んだものと感じた。
というのも、OVAを原作としてゲーム化したらしく、つまりはOVAのシナリオをゲームに持ってきただけなのである。
スペックが低く表現力に乏しいファミコンで、満足できるストーリーを演出できるはずもなく、なんとか形だけ再現したという感じで、ゲームとしては淡々としてて面白味がない。
何より、原作を知っている人がこれをやっても面白く無いと思う。漫画をアニメ化するのとはわけが違うからだ。
設定はRPGむきなのだから、多少頑張ってオリジナルストーリーにしたほうが絶対に良かった。
いっぽう、RPGとしてはどうかというと、バンダイのゲームとしては割と頑張っている。
素直にドラクエをパクって、それなりの形にはなっている。反面オリジナリティーの乏しさは気になってしまうが、ちゃんとしたものを作れないなら素直にパクった方が正解といえる。
ただ、まだ戦闘の仕組みをきちんと作ることができておらず、色々ちぐはぐなところが目立ってしまっているのが残念なところだ。
ドラクエ形式の対面型を採用しているが、工夫してバックに背景を入れたり、パーティキャラを入れ替えることが出来たり、控えのメンバーが戦闘中に加勢してくれたり、意欲的な向きもある。
不満点としては、ゲームが短い上に未完結であること。これはOVAをそのままゲーム化したから仕方のない側面ではあるが、1本のRPGとしてもう少しすっきりとした終わらせ方をして欲しかったものだ。
クリアできないような悪質で理不尽なゲームバランスではないが、全体的に大味で決して良いとは言えないバランスも気になるところだ。ヒントの与え方やイベント構成もいまいちセンスが悪いところがある。
ダンジョンの仕掛けが無いに等しく、画一的なマップパーツで構成されたダンジョンがつまらない。後、宝箱のデザインをもっとわかりやすくして欲しかった、もっと言うと、開けたか開けてないかもわかりにくい。
カーソルの操作性がいかにもバンダイというか、レスポンスが微妙に悪くてストレスが溜まるのも何とかして欲しかった。セーブデータが1つしか記録できないのも物足りなく感じた。
手厳しい指摘ばかりになってしまったが、バンダイにしては手堅い完成度だが、ゲームとして見る場合、これぐらい厳しい内容にならざるをえない。
目に付いた長所を挙げていくと2点ある。
まず、頻繁にデモ画面が挿入されるところなど、演出的には頑張りが見られる。
また、なによりブームの源泉といえるカードダス集めがゲーム上で再現されており、これが結構力が入っている。
カードダスバトルで使ったカードが無くなってしまうのが不満に感じたが、絵柄とかデータとか結構しっかり再現されていて、こっちが本編かと錯覚してしまうほどだ。そこで結論。
頑張りは伝わるが版権ゲームなんてこんなモン。