対応機種 | Wii(Wii Ware) |
発売日 | 2010/06/08 |
価格 | 1000円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
タイトルの通り可愛いくまを投げて、1画面固定のステージをクリアしていくアクションパズルゲーム。
2種類発売されており、それぞれシステムエンジンは同じだがゲーム内容が大きく異なる。
「バトル編」では、進行してくる敵から青いキャンディーを守る。タワーディフェンスのようなゲーム性である。
対して「パズル編」では、用意されたギミックを駆使して、置いてある赤いキャンディーをゲットするために頭を使うパズルゲームになっている。
両方のセーブデーターは互いに連動しており、両方をプレイすることで出現するステージが存在する。
何というかこういうやり方は商魂見え見えで汚い。好きになれない。
追加ダウンロードコンテンツも多く用意されていて、そっちで稼ごうという魂胆が見え見えである。
そもそも昨年Wiiwareで出した「光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジークリスタルクロニクル」のプログラムエンジンを使い回していないか。触った瞬間似た印象を受けた。
あのゲームも、ダウンロードコンテンツありきの商売体系であった。そういうビジネスは、新しい手法の一つとして存在してもいいと思う。ただ、前提として大元のゲームの完成度が高い必要がある。
それを考えると、新規のタイトルで、一週間ごとに追加コンテンツを開放していくスケジュールは、かなり強気だと思う。
特に追加ステージ集は痛いところだ。強力なお助けユニットやスキン変更(趣味アイテム)のようなものなら許せるかもしれないが、本体だけでは30ステージ程度と、値段相応のボリュームしか遊べない。
追加コンテンツはしっかりこの食い足りなさを突いてくるわけで、かなり多くの追加ステージが有料で用意されている。ゲームが楽しめた人だけがお金を払えば良いと言う理にかなっている仕組みと言えるが、やはり安かろうがゲーム一本を購入しているわけで、
体験版や入門編のような位置づけに置いてほしくないのが消費者の本音と言えないだろうか。
こういうゲームばかりになると、ダウンロード販売のゲームの信頼性が落ちてしまう。
ダウンロードタイトルだけあって、ゲームシステムは至ってシンプルだ。
固定画面のステージに、画面下の中央から「くま」や「アイテム」を投げて、ステージクリアを目指す。クリア内容は、最初の方で述べた通りだ。
ステージや仕掛けなどは良く出来ている方だと思う。グラフィックも綺麗だし、音楽も良い。さすがスクウェアエニックスと言ったところだ。
しかし、最悪なのが操作性である。「投げる」操作が、Wiiリモコンを傾けて方向を決め、振り上げる感度の強さで威力が決まる。この独特の操縦性がかなりの曲者。
左の方に投げたい時は、リモコンを左にひねる。右に投げたいときは右にひねる。そしてその状態でA(orB)ボタンを押しながら上へ振り上げる。この振り上げる動作の感度が良すぎて、少し振ったつもりでも、ゲーム上のメーターはMAXで振りきれて投げてしまうことが多く、
なかなか狙ったところに投げることが出来ない。
この操作性が悪いので、もどかしくなってイライラする。結果的に楽しめない。
恐らくこのゲーム、企画書の段階では凄く面白そうに見えたのではないだろうか。Wiiリモコンを使うだけの簡単操作とアピールできるし、文面だけでは独自性の強さも感じられる。しかしゲームにしてみると、荒が目立ち遊べたものではなかった。良くある話である。
特に機敏な操作を要求される「バトル編」でのストレスが半端なく、追加コンテンツの強力ユニットを買ってくださいと言わんばかりの難しさである。「パズル編」では、まだじっくり考えて遊べるぶん、さほどストレスにはならなかった。
キャラクターデザインは、アニメ界で活躍したオグロアキラが担当している。確かに「くま」は可愛い。でも、ゴシック調のデザインと、シンボル的キャラであるキイナとピイナは今ひとつ購買意欲をそそるデザインではなく、弱い。独特のデザインは評価できるのだが。
なぜこんなゲームに?というほど豪華と言える起用だが、今はオグロアキラはスクウェアエニックスの一社員のようである。なんだか勿体無い。
イベントデモを見る限りだと、続編を出していきたい予定のようだ。しかし、一作目からこの調子だと売れないだろう。だがもし続編を計画しているのなら、操作体系だけは見直して欲しいところだ。他は悪いゲームではない。Wiiwareのゲームとして考えれば一定水準はクリアしているゲームと言える。そこで結論。
操作性は非常に大事。