国破れて山河あり


対応機種ニンテンドーDS(DSi Ware)
発売日2009/10/28
価格800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2009 SQUARE ENIX / Matrix
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iPhone向けに開発された、シンプルかつ奥深さを追求した陣取りリアルタイムストラテジーがDSiショップにも登場した。

タイトルロゴの書体や、イラストレーションも渋く、なんというか光栄辺りが作りそうな雰囲気のゲームだ。

マップ上の拠点に自軍の兵士を派遣し占領する。ターン経過ごとに兵士が本部に補充されるが、拠点の数が多ければ多いほど補充される兵士が増える。
プレイヤーがおこなうことは、適切な数の兵士を派遣し、効率よく陣地を広げていき、戦力を補充したい拠点に本部を指定して、うまく敵軍に拠点をとられないように戦略を練ることだ。

せっかく占拠した拠点も、そこを守る兵士を置いておかなければ、相手に簡単に取られてしまう。

こういった、昔からあるシンプルかつ王道なゲーム作品となっている。

パネル操作とキー操作、両方に対応している点は良い。しかし、どちらの操作性も、あまり褒められた水準では無い。

ストーリーモードがあるが、コンピュータがかなり弱い。フリーモードでは強さを設定出来るので、練習的な位置づけに持ってきたかったのだろう。
ただ、ストーリーモードを進めなければ、フリーモードなどで選べない項目があるのはもったい付けすぎだと思う。

世界観は割と正統派のファンタジー路線なのだが、後半になるとこの会社特有の青臭いノリになってしまうのが残念である。

ワイヤレス通信で、最大4人まで対戦が可能だが、人数分のゲームが必要(対戦相手にもこのゲームがダウンロードされてなければならない)。非常に敷居が高い。
せめてWi-Fi通信にも対応させて欲しかった。

iPhoneやケータイアプリから流用作品のためか、作りが粗っぽい。文字がぼやけて潰れて読みづらかったりするし。
ガクガクした処理で、ゲームを遊ぶ分には問題ないのだが、エフェクトも安っぽく、手抜きくさい感じがする。

このゲーム独特の要素としては、アイテムによる形勢逆転がある。ステータスをアップさせたり、自軍の陣地に一定時間侵入出来ないようにするなどだ。
こういった要素があるとはいえ、良くある国盗りストラテジーで、これといった特徴は無い。ダウンロード配信のゲームはこんなものかもしれないが、敢えてこれを遊ぶ意味が乏しい。ましてやDSiショップの中では800円と高い。
500円ならばまだ釣り合う感じだ。

オーソドックスさを売りにしているからこそ、基本的な部分を作り込んで欲しかった。ゲームルールがわかりやすい点は評価出来る。そこで結論。

これは売れない。





[2009/10/29]
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