ラグランジュポイント


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1991/04/26
価格8500円
発売元コナミ

(c)1991 KONAMI
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SF世界をベースにした、コナミが送る超大作RPGだ。
「ファミリーコンピュータマガジン」でゲームのアイディアを募集したり(敵キャラの絵を公募していた記憶がある)、キャラデザインに細野不二彦を起用するなど、かなり気合いが入っていた。

ファミコン末期の作品だけあって、とりあえず、全体的にプログラムの出来がいい(ファミコンにしては)。
多重スクロールの演出や、レスポンスの良さなど、処理が快適で、「本当にファミコンで動かしているのか!?」と疑問に思うぐらいレベルが高い。

特にコナミが得意とする音楽に関しては、相当力が入っていて、特殊チップを搭載させることで、FM音源相当の音が鳴る。
とにかくこのゲームが話題になったのは、ファミコンらしからぬ音質の凄さである。
コナミの音楽へのこだわりは相当なもので、特にチップを載せなくても高いクオリティを叩きだすのだが、このゲームではそのこだわりが感極まっているところまで行ってしまったと言える。

このように音楽は力業で鳴らしているし、映像演出のできはいいんだけど、ゲームとしてどうかというと、RPGを作り慣れてないコナミらしい凡作止まりである。

BP(戦闘時に行動する際必要となるスタミナのようなもの)を消費して戦う、武器の合成、パーティメンバーの選択、凝ったデモシーンやバトル時の視覚的演出、何よりSFをベースにした世界観。
当時としては意欲的な要素が沢山盛り込まれていてどれもそれなりに面白いのだが、詰めの甘いところも多く残っており、今ひとつ惜しい。

後、このゲームに限ったことではないが、ファミコン=子供向けというイメージでゲームを作るのはやめて欲しい。
SFと言えば、硬派で渋いイメージがある。しかし、中途半端にガキ臭いところが出ているので、せっかくのムードがぶち壊しになっているのだ。

テキストの出来が悪く、町の名前や装備品の性能(どちらが強いのかなど)が一目見ただけでは覚えられずなかなか頭に入ってこない。
また、情報の与え方も下手くそで、何をやったらいいか混乱するところがある。誘導の仕方もあまり上手な方ではない。

戦闘画面やキャンプ画面の画面構成が今ひとつごちゃごちゃとしておりこなれてなかったり、ワープポイントが微妙に不便なところにしか飛べなかったり、
ちょっとやればすぐ気づくような箇所に不満点が多くある。
どれも致命的な欠点に至るほどのものではないのだが、積もり積もって評価を下げている。

特に武器の合成はせっかく凝っていて面白いのに、通常のマップ画面のキャンプ画面を開いてアイテムを管理できるところから、かなり離れた場所に置かれているせいで面倒くさくて辛かった。

プログラム技術はかなり優れているんだが、ふたを開けてみればハッタリでごまかしてる部分が多い。
変にFFに影響されてるところがあって、嫌いってわけでもないんだけど、好きにもなれなかったゲームだ。そこで結論。

音楽は間違い無くすごいが、それ以外は今ひとつ。





[2012/05/08]
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