ライブアライブ


対応機種スーパーファミコン
発売日1994/09/02
価格9900円
発売元スクウェア

(c)1994 SQUARE
戻る

小学館とのタイアップで、人気漫画家7人を起用した、ある意味無駄に豪華に作られたRPG。
7つの独立したシナリオを遊ばせるなど、ゲーム内容も斬新さで溢れており、挑戦的な作りで意外性が強い。

人気漫画家の面子を聞いて驚く無かれ、青山剛昌、石渡治、小林よしのり、島本和彦、田村由美、藤原芳秀、皆川亮二と
良くこれだけの売れっ子を集められたものだと感心してしまう。
大概この手の作品は、最初の話題作りだけで終わっており中身を見るとコケていることが多いのだが、素晴らしく良く出来ている。

だが、せっかく一つのシナリオに一人の漫画家を使っているのにSFC程度のハードスペックでは、
各々のキャラクターデザインの持ち味を描ききれず、金かけて集めて仕事させた意味を出し切れていない。
強いて言えば、各漫画家のノリやテイストを借りてきた程度だろう。
例えば、島本和彦の近未来編は無駄に熱くなければならない、とか、小林よしのりの原始編はギャグ路線だとか、それぐらいである。

ただ分けただけでなく、一つ一つのシナリオにそれぞれゲームとしても様々な方向からアプローチを計って作られており、
マンネリを感じることなく楽しむことが出来る。
また、一つのシナリオが1時間前後で終わる分量がほどよく、何度でも遊びたくなる。
スクウェア製のRPGにしては珍しく、ストーリーがゲームに乗っかっている構成になっていて、
RPG特有のだらだら感や冗長さが無く、手軽なプレイ感覚が心地良い。

隠しイベントや隠しボスもかなり豊富で、幕末編のようにハイスコアを狙ったり、逆に誰も倒さずに進むという制限プレイなどの
幅の広い遊び方が出来る仕込みが多く、何回も遊ばせる手法を心得ている。

全てのシナリオを終えると、隠しシナリオが出現し、一本のRPGとしてもそれなりのオチを付けており満足出来るようになっている。

グラフィックがFF6の後と言うこともあり、キャラが一頭身である点などから古くささは否めない。
特に派手な演出があるわけでもなくひたすら地味なのだが、その分細かい部分に相当凝っており、全体の出来としてはかなり良い。
セリフのまとめ方から間の取り方、効果音の鳴らし方一つまで、非常に丁寧に作られていて、
その上で、プレイヤーの心をがっつり掴む演出もしっかり盛り込まれており、好感が持てる。

シナリオごとにマップチップや音楽も使い回さず全く違う物を使って作られていたりと、地味ながら手をかけて作っていることが伺える。

基本的にシンボルエンカウント方式だったり、戦闘回数で敵の強さが変わることがあったり、戦闘終了後HPが全快する辺り、同社のロマンシングサガっぽすぎる気がする。
買い物の概念が無かったり、RPG必須の要素で端折っている箇所を独特な戦闘システムや隠しイベント、ゲーム性の強い内容などで補っている。
結果的に回復などの煩わしくなりがちな部分を省いて、ゲームとしてのテンポをあげ、ゲームにのめりこませることに成功している。

とにかく上質な音楽やストーリーなどで、上手にプレイヤーをノせてくれる素晴らしいRPGと言えよう。

挑戦的な作品でありながら、全てが高いクオリティで作り込まれた大傑作。





[2004/06/16-2005/06/11]
戻る

inserted by FC2 system