ゲームキューブ本体と同時発売されたうちの一本。 任天堂の看板キャラクター、マリオの弟ルイージが主役の ゲームが強い要望に応える形で堂々登場!! 本作は、ゲームキューブ初のマリオシリーズ、 しかも、本体同時発売ということもあって いわゆる任天堂ハードのローンチタイトルとしての役割も果たしている。 しかし、ライバル機であるPS2と比べて、 グラフィックが飛び抜けて綺麗になっているわけでもなし、 ゲーム的な面で別段目立ったところもなく、 ローンチとしてはイマイチ、と言わざるを得ない。 任天堂はそれまで、CD-ROMという供給メディアに対して 容赦のない批判を浴びせて、コストや流通など多くのデメリットを抱えながらも カートリッジROMに拘りきった会社である。 GCでは、手のひらを返したように8cmのDVD-ROMに供給メディアを転換させた。 特にディスクアクセスについて強い不満を述べていただけあって、 本作はロード時間が存在しない。 勿論、エリア切り替えでアクセスはするが、体感的にはROMのゲームと変わらない。 これは、GCのハードコンセプトそのものが非常にアクセス効率の良い向きに 仕上がっていることも挙げられるが、 ずっとROMに拘っていたことから来る意地すらも感じられる。 ローンチとしての魅力は、この快適なディスクアクセスなのだが、 いかんせん目に見える物では無く、やらないと分からないと言う地味な物である。 ゲーム内容は、オバケ屋敷で行方不明になったマリオを探しにルイージが その屋敷を探索するという物。 バイオハザードのように、先に進めるために扉の鍵を探して どんどん屋敷内を踏破していく。 任天堂のゲームらしく、特定の倒したオバケが記録されるオバケ図鑑や ユニークなボス戦など、同社の得意とする探索系の色が強いが、 その手のゲームにしてはエンディングまでの道のりが単調で一本道すぎて退屈だし、 かといって、ハイスコアを狙うために周回して遊ぶにしては 一周が長すぎるし、今ひとつ中途半端なのである。 また、操作性に関しても、本体同時発売のソフトにしては 高いレベルの操作を求められ、ちょっとむつかしい。 ルイージの操作(通常のスティック)と、 オバケを吸い込むオバキューム(掃除機)の向きを変える(Cスティック) 二次元的な操作を求められるため、取っつきがちょっと良く無い。 勿論、マリオシリーズらしく操作性はこれでも洗練されているので、 慣れてくるとそこそこ快適に動かせる。 オバキュームを使ってオバケを吸い込む動作が他では味わえない独特な感覚で なかなか面白く、この点は実に良く出来ている。 これ一本でこのアイディアを埋もれさせるのは勿体ないので、 ぜひ今度はじっくり制作期間を取って練り込んだ続編を遊びたい物である。