ルナ シルバースターストーリー


対応機種セガサターン
発売日1996/10/25
価格6800円
発売元角川書店

(c)1996 角川書店 / GAME ARTS / JAM
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元はメガCDの有名ロールプレイングの「ルナ」をサターンで大幅リニューアル移植。
ハードの性能に合わせた綺麗なグラフィックに随所に挿入されるアニメーションムービーが特徴。

なんというか、非常にオーソドックスなRPGである。
英雄に憧れる少年が世界を旅していくうちに、重大な使命を背負って世界の危機を救うという。
システム的にも大きな冒険はなく、遊びやすいが意外性には乏しい。ストーリーに重点を置いたものだと割り切った方がよいだろう。
実際、町の住人のテキスト量が膨大で、そういう面での作り込みは恐ろしく凄い。

敵との戦闘はシンボルエンカウントで行われる。配置も戦闘バランスもほどよく心地良い。
若干、追跡がしつこいのと配置が密集しているような箇所が感じられたが、さほど気にはならなかった。
ただのコマンド選択だけでなく、位置が戦況を左右する戦闘システムはなかなか新鮮ではある。それ以上の新しさはないが。

インターフェース関連では、ディスクロードが早く画面切り替えが素早く行われるため、テンポが良くイライラすることがない。
ただ、アイコン表示のコマンド選択はレイアウトが悪く、見辛いと思う。それと、メニュー画面が少々使いづらい。
戦闘の時はAIコマンドが左上にあって、これはカーソルの初期配置と同じ位置である。
カーソルは選択したものが記憶されるので二度目以降はさほど気にならないのだが、ゲーム再開時にはリセットされてしまいAIコマンドを選びたくないのに選んでしまうことがあった。
AIは使わず自分で考えて遊びたい人もいるのだから考えて欲しい。
また、戦闘時のダメージ数値などが小さく見にくいのも気になった。プレイに支障をきたすほどの物では無いが。

物語部分の水準はなかなか高く、基本に忠実な展開はゲームおたくほど退屈な感想を持つかもしれないが、
メインキャラクターの丹念な描写やゲーム的な構成もしっかり考えて作られており、実は結構楽しめる。
随所に入るアニメムービーもサイズを小さくした分、迫力には欠けるがハイクオリティーな画質を代わりに実現出来ており、綺麗。
セルとCGを組み合わせたシーンのように、なかなか手の込んだことをやっていたりする。
サクラ大戦やポリスノーツと違い、CGの上にセル画をのせている本当の意味での融合である。
そういった実験もありながら、アニメ自体のクオリティもかなり高い。

メガCD版から声優も一新し、いま流行りの面子を集めてきているのは、ずるい気もするが、商売的にはなかなか分かっている。
キャラごとにブロマイドというアイテムがあって、サービスカットが拝めたり、どうやらキャラ別にテーマソングまであるようだ(本編で聞く機会はないが)。
そういった抑えどころもがっしり抑えているのは上手いと言える。
こういった“あざとさ”が、無難なゲーム内容に華を添えており、丁寧な作り込みが良い印象を与える。

ゲームバランス的に少々過保護なところが単調な気もするが、まぁ許容範囲だろう。

王道過ぎる内容だけど、良くできてます。





[2005/11/07]
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