超魔界村


対応機種スーパーファミコン
発売日1991/10/04
価格8500円
発売元カプコン

(c)1991 CAPCOM
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カプコン初のスーパーファミコンオリジナル作品となるのが、アーケードでディープな人気を博した魔界村シリーズの新作だ。
家庭用向けに開発されるのはこれが初めてとなる。
(ただし、強敵でありながらシリーズの看板キャラとなった、レッドアリーマーが主役の外伝作品は除く)

過去二作品とは異なり、家庭用向けに作られることとなったことで、インカムなど気にする必要がなくなったためか、かなり作風が変わっている。

どちらかと言うと、カプコンがスーパーファミコン向けに作る、大作アクションゲームといった風で、ゲームのテンポよりも、ステージの演出や仕掛けが強化されている。
スーパーファミコンお得意のモザイク処理や、回転処理、多重スクロールといった機能を駆使しようとした箇所が目立つ。

オープニングデモもかなり気合が入っているが、スーファミ初期のゲームということもあり、まだどことなくチープさが漂っているのが残念。

家庭用向けゲームということで、ボリュームも重視されており、全7ステージ。
もちろん、シリーズ恒例の2周プレイも受け継がれているが、1周が長いし、全体的に冗長な作りなので、正直言ってダレる。難しさよりも長いのが辛く、何度もクリアしたいと思わない。

「大魔界村」で追加された、上撃ち、下撃ちができなくなっているが、代わりに二段ジャンプが出来るようになった。
しかし、ジャンプ後の軌道修正が出来ないので、思ったほど操作の融通がきかず敷居が高いのは相変わらずだ。

他に「魔法」の要素も受け継がれているが、上位の鎧に着替えることで、魔法が使えるだけでなく、装備武器の性能も強化されるようになった。
前作では溜め撃ち魔法が使えるようになるだけで、いまいち強くなった感じがしなかったが、今回は武器レベルも上がるので、その辺に面白味が出た。

二発食らうとやられてしまうところや、プレイヤーキャラの操作の難しさ、
加えて、シリーズとしては難易度がだいぶん落ちたものの、ガチガチの覚えゲーとなっているために、丁寧かつ慎重な操作を要求されるバランスになっている。
これらを踏まえると、難易度が下がったと言っても、他のアクションゲームと比べると、まだ難易度が高く感じられる。

だが、繰り返し遊ぶことで、着実に上達を実感できるシリーズおなじみの作りは一貫しているので、しっかり面白い。
無限コンティニューではないが、ドル袋を規定数取ることでコンティニュー回数が増えるので、普通にやっていればコンティニュー回数が尽きてゲームオーバーにまで行き詰まってしまうことは殆ど無い。

このシリーズは、複数の武器が用意されているのだが、せっかくいくつも武器が用意されてる割には、武器ごとの性能差が激しすぎる。
上撃ち、下撃ちが出来なくなったことで、その性能差はさらに広がったように思われる。
特に、ボウガンが強すぎて、それ以外が不要とでも言うほどの状態になっている。他の武器や新武器に至っては、なぜこんなに使い勝手の悪いものにしたんだ、と言いたくなるほどのものだ。
例えば、射程がイマイチの武器は攻撃力や連射力を高めるといった調整をしてくれるだけでも、使える局面は増える。

また、レッドアリーマーが強化されて、特定武器以外だと倒しづらくなってしまったのも難点。シリーズお約束の規格外の難敵とはいえ、仮にも雑魚敵である。もう少し倒しやすくして欲しかった。

アクションゲームとしては「大魔界村」の方が、スピード感もあり綺麗にまとまっていたが、この「超魔界村」も、家庭用向けである強みを活かした作りで決して引けを取らない出来に仕上がっている。
スーパーファミコンの能力を遺憾なく発揮した、グラフィックのクオリティの高さ、しっかり作り込まれたステージ構成のギミックの数々は、ため息の出るほど素晴らしい出来栄えだ。

カプコンの思惑としては、魔界村シリーズを家庭用向けの路線にしたかったのだろう。いつまでもアーケード向けのシビアなジャンプアクションのままでは廃れるのは目に見えている。

ただ、それでも、このシリーズはアーケード出身ということもあり、2周クリア制、癖の強い操作性など、家庭用向けアクションとして売り出すには向いてない題材と感じた。
かといって、シリーズのお約束を簡単には捨てることのできないジレンマがあるのだろう。

そんなことを書いていたら、やはり家庭用向けの魔界村シリーズは、レッドアリーマーが主役を張っているものが多く、正統な続編は発売されなくなってしまった。そこで結論。

シリーズの伝統に苦悩しながらも、しっかりテイストを残した良作。





[2016/10/13]
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