対応機種 | Wii |
発売日 | 2008/04/10 |
価格 | 5800円 |
発売元 | 任天堂 |
マリオシリーズの中でも屈指の知名度を誇るマリオカートシリーズの最新作が遂にWiiにも登場。
ハンドルコントローラが同梱し、体感ゲームの様相を呈している本作の完成度はいかほどか。
あまりにもハンドル操作を全面に押し出しすぎている感があり、一見するとコントローラの操作を受け付けないのかと思われがちだがそうではなく、ヌンチャク、クラシック、ゲームキューブコントローラにもしっかり対応して、従来通りに遊ぶことも出来る。
ただし、今回はハンドルコントローラ推奨ということもあり、コース設計や操作性が従来のそれと違っている。操作性が大味になった感じ。もっと言えば、アーケード版マリオカートに方向性としては似ている(中身は全然違うが)。
とはいえ突き詰めると結局は、従来通りのコントローラー操作の方が細かい操作に機敏に対応できるということもあり、そちらが優位になってしまっている。
コース数は完全新作、オールドコースのリニューアルそれぞれ16個ずつで計32コースと、なかなかのボリュームだ。
今回は、キャラクターと搭乗するカート(バイク)を選択する。キャラとカートで性能差が出るという格好だ。マリオカートシリーズとしては結構細やかな調整がおこなわれている。
カートともう一種類バイクが新しく登場している。カートはカーブに強くバイクは直線に強いという設定である。
バイクに限り、最高速度が伸びるウィリーというアクションがある。これは前作マリオカートDSで指摘された直線ドリフト(普通に走るよりドリフトをしながら走った方が早い)への付け刃的な対応に見えた。
ドリフトをオートでおこなってくれる機能が付いていたり、ロケットダッシュのタイミングが甘めに設定されていたりと、一見すると敷居の低いゲームになった印象があるが、前述のウィリーアクションやジャンプアクション、コース上の多彩なギミックによって、実はシリーズでも随一のシビアさを誇っている。
レースゲームを一気に誰もが楽しめるパーティゲームへと変貌させた功績を持つこのシリーズだが、今回も沢山の他者を妨害させるアイテムが登場し、ゲームを盛り上げてくれる。
個人的には、スーパーファミコン版、ニンテンドウ64版ぐらいのバランスが好きだった。
トゲゾー甲羅や全体を妨害するアイテムなど、もうシリーズを重ねるごとに収集が付かなくなっている感じで、その理不尽さが面白い反面、冷めることもある。
コースアウトすると落下してしまうところが多く、お助けアイテムが逆に仇になってしまう面も多く感じられた。
使えるキャラや搭乗車を増やしていくには、グランプリをクリアするなどの条件を満たす必要がある(しかも条件がわかりづらい)。
しかし、タイムアタックで早いタイムを出している人が使っている車が使えないと虚しい。はじめから全部使えるようにしておくぐらいの気前の良さは欲しかった。
Wi-Fi通信にも対応しており、最大12人で対戦も可能。DS版では、切断されたりして人数が減っていたなどの問題があったが、今回はフレンドと合流するなど、プログラム的にも改善されているらしく、不満を感じずに遊ぶことが出来る。
タイムラグも全く感じず、ネット対戦という違和感は全くない。
タイムアタックの記録も登録することが出来るが、他のゲームとは違い、線グラフのような表示をしている。この配慮がまたいい。
従来のように順位がずらっと表示されるだけだと萎えて続かなかった人も、これだと人口比率が目に見えてわかるので、見た目の安心感と自分がどの位置にいるのかが一目でわかるのがいい。
ゴーストデータも一番早い人ではなくて(勿論ダウンロード出来る)、ちょっと早い人をダウンロード出来ることで、段階的に上達させようという優しい配慮がやる気を持続させてくれる。
任天堂はこの辺のシステム作りが本当にうまい。
コースが全体的に一本道になってしまって、大胆なショートカットがなくなってしまっているのが残念。色々言いたくなる部分もあるが、相変わらず完成度は高い。そこで結論。
安定した面白さ。鉄板タイトル。