メトロイドゼロミッション


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2004/05/27
価格4800円
発売元任天堂

(c)2004 Nintendo
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ファミコンのディスクシステムで発売されたメトロイドの一作目を
ゲームボーイアドバンスで、今のシステムに合わせたリメイク&アレンジ移植。

このシリーズのゲームデザインは既に一作目から土台が出来上がっているのだが、
やはり、ゲームとして完成されてきたのはSFCのスーパーメトロイドからである。
さすがに、今遊ぶとバランスの厳しさや理不尽さ、見た目の弱さなどが目に付く。
本作は、スーパーメトロイドやメトロイドフュージョン辺りで培われたギミックを組み合わせ
さらに追加エピソードも付けて、経験者でも新作同然な目新しい内容になっている。

マップや各種仕掛け、構成に至るまでオリジナルの色を各所に残しながら新規に作り直されている。
ディスク版を知っている人間がやると、思わずにやけてしまう場面などがありつつ、
まったく新しいゲーム性の見事な両立は、近年流行っているリメイク復刻の中でも、トップクラスの出来だ。

凄く良質な作品であったGBAのメトロイドフュージョンのシステムを借りてきて作られている。
あの作品では、シリーズとしては少々変化球気味な部分があったが、
本作では、そういう面で先祖返りを果たしており、雰囲気的にも内容的にもかなり「戻ってきた」感覚がある。
イベントは一枚絵の挿入程度にとどめられ、たった一人、己の力のみで地下迷宮に潜り込み、道を切り開く。
このハードでストイックなシチュエーションに加え、攻略ルートにもかなりの自由度を付けている。

そんなマニアックさがありながらも、メトロイドフュージョンで見せた2Dアクションとしてのクオリティの高さは
本作でももちろん引き継がれていて、間口の広さを見せつつ、さらに奥まったゲーム内容は、誰もが満足出来る懐の広さがある。
職人的なバランス調整と、小気味よさは相変わらず健在で、「フュージョン」で褒めるところは既に書き尽くしてしまったので、
ここで語ることはほとんどなかったりする。

ディスク版ではマザーブレインを倒してゼーベスを脱出すればエンディングだったが、
GBA版では、その後にちょっとしたエピソードを追加している。
無防備状態で敵から見つからないよう逃げながら活路を見いだしていく、それまでとは逆のことをやらせる作りだが、
これがなかなか、絶妙なバランス設計のおかげもあって、独自のオリジナリティを出せている。
この手のものは、内容的に滑ってしまうと、ただストレスになるだけなのだが、このパートだけでも
別ゲームが作れてしまうと感じるぐらい本当に良くできていて、単純に面白い。
しかし、メトロイドもシリーズ展開が進むにつれ、裏設定(ゲームに表立って出てこない設定)がだいぶ用意されているらしく
追加パートでは、それらの設定を前面に押し出して描かれているのだが、これも含め追加パート自体、余計ものという気がしないでもない。
良い意味でのシンプルさが薄れ、今後のシリーズ展開をにらんだような感じがちょっと気になったからだ。

NES版の「メトロイド」が収録されており、一回本編をクリアすると遊べるようになる。
元となった作品と遊び比べるという乙な楽しみ方が出来る配慮は非常に面白い。

メトロイドフュージョンと通信ケーブルでデータ連動させることで、
フュージョンのイラストギャラリーが全て見られるようになる仕掛けがあるが、
苦労した末に見られる画像まで連動させるだけで全て見ることが出来てしまうので、これには感心出来ない。
あと、クリア後に表示されるイラストの分岐条件を曖昧でもいいので示してくれたり、
ギャラリーのイラストをリスト化してくれればもっとやる気が出るので、本作は「フュージョン」を踏まえた2作目である、
そんな些細なことへの配慮を求めてもいいものと思う。

さらに奥深くなったゲーム性は、まさに2Dアクションゲームの最高傑作。





[2004/05/28-2005/05/25]
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