メトロイドプライム ハンターズ


対応機種ニンテンドーDS
発売日2006/06/01
価格4800円
発売元任天堂

(c)2004-2006 Nintendo / Nintendo Software Technology / RETRO STUDIOS
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「24時間、世界中のプレイヤーと戦える!」
ニンテンドーDSのWi-Fiコネクション搭載で、新境地を切り開いたメトロイドシリーズの最新作。

照準のロックオン機能がはずされて、より対戦に特化した内容になったと言える。
これまで、FPA(ファーストパーソンアドベンチャー)と呼称されていたジャンル名も、今作でははっきりとFPS(ファーストパーソンシューティング)と記述されている。

本作はまず、Wi-Fi対戦ありきで作られているのだ。しかし、従来通りの一人用モードと、複数カートリッジを持ち寄ったワイヤレス対戦、1カートリッジ対戦にも対応しており、
ネットワーク環境が無いユーザーにも商品価値のあるものになっている。

なんというか、ロックオン機能がないことも含めて、全体として、GC「メトロイドプライム」のプロトタイプ(試作品)を遊んでいるかのような不思議な感覚である。
昔のゲーム雑誌には、良く開発途中の完成品とは全然違うバージョンのものが紹介記事に載ったりしたものだが、それをプレイしているような感覚なのだ。
ただ、確かに本作はきちんとした完成品である。それは事実としてある。

GCでメトロイドが出た時の進化の驚きは、今でも忘れられないが、64で企画されていた「メトロイド64」が発売されていれば、きっとこんな感じになっていたのだろう。
いや、むしろ出しておくべきだったのだろう。あまりに“溜め”が長すぎた気がする。

一人用のアドベンチャーモードは、今作はここをメインに作っているわけではないので、仕掛けもスイッチを押す、踏む程度のもので、多彩なギミックなど、あまり多くを期待してはいけない。
しかし、小粒ながらなかなか頑張ってると思う。
位置づけとしては、対人戦における、予習復習程度のものなのだろう。ゲームクリアまでに一通りのテクニックを習得するくらいのもので、難度もさほど高くない。

操作形態がかなり異質なもので、良い意味でも悪い意味でもDSらしいと言える。
これまで出てきた作品では、大体キー操作寄りかペン操作寄りのどちらかに大別されただろうDSソフトだが、
このゲームでは、左手のキー操作(キャラの移動)と右手のペン操作(視点&照準移動)を同時にフル活用させられる。
特に、左手(片手)で、本体を持つ格好になるので、非常に疲れやすいうえに、Lボタンが攻撃なので、そのなかでも人差し指の負担がかなり大きい。
本当に、数十分に小休止をとらないと、やっていられないほどのつらさである。

やりづらいという印象を強く受けるかもしれない。だが、これを短絡的に出来損ないと決めつけるのは良くない。
逆に、自由度が格段に高くなったと解釈出来ないだろうか。十字キーでのキャラ移動が少々融通が利きづらい気がするが(おまけにサイドステップが出来なくなったのは痛い)、
ペンでの視点操作は、非常に精細に動かせる。うまいプレイヤーは、上手に使いこなしそうだ。

しかしまあ、こういう例を見ているとメトロイドシリーズというのは、毎回ユーザーが求めているものの数段上を平気でやってのけるゲームである。
ゆえに、いまいち受けが良くないっちゅう弱味があるわけで。

アドベンチャーモードの細かな不満点としては、カートリッジなのに、部屋移動に読み込みが入る(すぐにゲートが開かない)。しかも、長い。
あと、あくまで対戦モードのマップを使っているのか、若干使い回している部屋がある点。意味ありげな場所に苦労して行ってみたら何もなかったなど、使い回しが理由だったというオチが目立つ。
それから、スキャンバイザーは無理して付けなくても良かったんじゃないか?現状でもアクションが溢れ気味。対戦じゃいらないだろうし。
画質イマイチのムービーもいらなかった。けっこうリアルタイムポリゴンで頑張ってるので、それで表現出来た気がする。

画面が全体的に暗いのもつらい。明るい場所、屋外ではほとんど見えない。

メトロイドといえば、凶悪生物「メトロイド」がおなじみだが、本作では出番が無い。おいおい…。
まあ、外伝だからやたら噛みつくのもどうかとは思うが、欧米での受けがいいせいか、そっち向きな内容になってきちゃってるのが日本人としては悲しい。スターウォーズ色がどんどん強まってるのもねぇ。
3Dのメトロイドは、据え置き機に任せて、そろそろ2Dのメトロイドも遊びたいなぁー。

メトロイドが出ない代わりなのか、やたらと時限イベントが多いのが気になる。もう、無理矢理入れてるだろーってぐらい。
いやたしかに、惑星脱出もメトロイドの十八番っちゃ十八番だけども、ここまでいれなくても…。

ちなみに、Wi-Fi通信は一切やっていないレビューなので、あしからず。

ゲーマー諸君は、この斬新なゲーム性(操作性)に驚嘆せよ。





[2006/06/03]
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