メタルギアソリッド


対応機種プレイステーション
発売日1998/09/03
価格5800円
発売元コナミ

(c)1987 1998 KONAMI / Konami Computer Entertainment Japan
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「スナッチャー」「ポリスノーツ」など濃厚なアドベンチャーを作り上げてきた小島秀夫が、本格3Dアクションゲーム制作に挑む。
かつて、MSXでディープな人気を得た、「メタルギア」シリーズの最新作だ。

敵を倒すのではなく、隠れて進めていく逆転の発想で生まれたゲームである。
どうしても邪魔な敵を排除したい場合、後ろから近づいていって、暗殺する。
敵に見つかってしまうと、アラートモードとなり、次々敵が襲いかかってきてやられてしまう。
ここでは、敵を倒すのではなく、なんとかして身を隠し、やり過ごすこととなる。

敵は、決まったルートを巡回し、常に決まった動きしかしない。
それゆえ、行動ルートさえわかってしまえば、割と簡単にクリア出来てしまう。
難しそうなゲームだが、難易度も低めに設定されており、ゲーム上で親切丁寧に説明が入るので、取っつきはなかなかいい。

グラフィックは全てポリゴンで描かれている。しかし、カメラはあらかじめ設定された見下ろし型である。
これだけを聞くと意味がないと思われるかもしれないが、全ての場所で、主観視点にして、マップをあらゆる角度から見ることが出来る。
また、イベントムービーはリアルタイム演算にこだわっており、すべてをポリゴンで表現することは必然だったと言える。

3Dマップの視認性の悪さを補うために、右上にレーダーが表示されている。
これはソリトンレーダーと言われ、敵の位置や視界まで表示される。
レーダーばかり見られ、肝心のゲーム画面が見られないのではないかというぐらいやりすぎな便利レーダーだが、
これぐらいやって釣り合うぐらいだと思う。3Dゲームを作るのは非常に大変である。

無理にフルポリゴンにしたのではない。映像のクオリティはプレイステーションのハードウェアを底から徹底的に叩いて描き出された感じで、かなり頑張っている。
マップ造形の一つ一つは当然ながらテクスチャー1ドット単位で描きこまれ、人物に関してもイベントムービーのアップに耐えうるモデリングを生み出している。
さすがに顔までは無理なのか、うまいことごまかしているが、ごまかしも技術の立派な一つといえる。

要所要所では、ボスキャラクターが登場し、ゲームの進行を阻んでくる。
隠密潜入をテーマにしているのに、ボスキャラと派手にドンパチ決めるのはどうかと思われるかもしれないが、物語的にもゲーム的にもいいスパイスになっている。
ボスを倒すことで、プレイヤーのヒットポイントがアップし、武器も充実し、徐々に強くなっていく感も良い。

個性的なボスが多く、作り込まれたギミックの数々が、プレイヤーを良い意味で驚かせる。

ストーリーは、さすが濃密アドベンチャーを作ってきた小島秀夫だけに、適度に渋く、適度にコミカルで、なかなか良い。
カメラワークなどの見せ方もうまく、感心させられる。
しかし、アクションゲームとしては、シナリオがやや饒舌な印象がある。もう少し台詞を削って見せ場を絞って見せれなかっただろうか?

ゲーム上いつでも、仲間と無線通信が出来て、次に何をするべきか教えてくれたり、ボスキャラの倒し方についてヒントをくれたりする。
それ以外にも、ゲーム上の設定や重火器についてくどくど語ってくれる人物がいたり、バリエーションがかなり豊富で良く出来ている。
台詞に全て声があてがわれている点も凄いだろう。

斬新なゲームシステムだが、丁寧なチュートリアルや難易度の低さによって、間口が広く誰にでも楽しめる。
映像面も画期的なことを沢山おこなっており、その点も見所となっている。
さすが小島秀夫は良い仕事をする。そこで結論。

アクションアドベンチャー傑作の一つ。





[2009/07/25]
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