メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス

対応機種ゲームキューブ
発売日2004/03/11
価格6980円
発売元コナミ

(c)1987 2004 Konami Computer Entertainment Japan / Silicon Knights
戻る

1998にPS1で発売され、「世界の小島秀夫」と言わしめた
名作メタルギアソリッド1がゲームキューブで新たにリメイクされて復活。

GC「エターナルダークネス」(任天堂)で高い評価を得たシリコンナイツが製作を担当。

プレイステーション1が3Dポリゴン映像を表現するには不完全なハードだったことと、
続編のメタルギアソリッド2のシステム周りが優秀であったことから
ぜひMGS2のクオリティで一作目を遊びたいという要望が強く、
それに応える形で、開発に至ったと思われる。

しかし残念なのは、ところどころに「大人の事情」がかいま見える点で、
そもそもMGSは、プレイステーションで展開していたシリーズなのに
ゲームキューブで発売するというのに不自然さを感じるのと、
日本より海外での受けがいいためか音声が英語のみとなっている。

英語音声自体に不満を持っているわけではなく(勿論不満はあるが)
日本語吹き替えとの選択の余地が無い点に強い不満を感じる。
(従来作では、日本語音声/(後に出る)英語音声版とある程度選択の余地があった)

特に小島秀夫のゲームは、いつもキャスティングがしっかりしていて、
MGS1でもせっかく豪華声優陣を集めて、各々が良い仕事をしているのに、
これを活用しないのはどうかと思うのだ。

オリジナル版から6年もの時が経過していて、
いくらベスト版の再発売やPS2の互換性などで、遊ぶ機会がそれほど奪われてないとはいえ
GC版が初めてというプレイヤーも決して多くはないはずである。
それらの購買層に対して、英語音声と日本語音声の落差について勿体ないと思えてしまう。
本来、もっと見応えのあったイベントシーンが、日本語音声に比べ
明らかに見劣り(聞き劣り)してしまっている。
こっちの方がいい!という人もいるかと思うが、
やはりMGSは日本語音声向きに作られたゲームである、何とかして欲しかった。

そもそも自分は、国産のゲームなのに、音声が英語であるゲームはあまり好感を持てない。
なぜ日本で作ってるのにわざわざ英語音声でやろうとするのか、
なにか意図的なものがあるのなら別だが、日本のゲームなら日本らしく日本語音声でやるべき。

ゲーム内容は、まさにMGS2のシステムをそのまま使ってMGS1を作ったという感じで、
本作ならではの新要素に乏しく
MGS2をやっていると、物足りなささえ覚えるほど目新しい点が無い。

ゆえに、敢えて指摘する点は全くと言っていいほど無いのだが、
MGS2と比べると、一作目はマップ構成がまだこなれていなくて、
いまひとつ面白いマップが少ない。
ただ、だだっぴろい空間ばかりというか、
一応2で登場したロッカーが追加されていたりするが、それでもまだ物足りない。
そもそも、敵兵士との絡みは一作目の時点では、まだゲーム的で
単なる障害物程度な存在でしかなかったため、かくれんぼの自由度が2ほど
豊富に用意されていなかった。

本作の最大の不満点に挙げたいのが操作性である。
操作ボタンの割り振りに工夫が無く、非常に遊びづらい。困った物だ。
小島秀夫の関わるゲームで最大の長所は、アクション数が多い割に
その殆どがワンボタンで出来る点にある。
この操作の割り振りも洗練されており、直感的に把握出来るような配置になっていて
ゲームを始めて1時間程度までは、戸惑うぐらいアクション数が多いが
慣れてくると、簡単な操作で様々なことが出来るようになってくる。
で、本作での問題点は、PS2のコントローラとGCのコントローラの違いを
全く考慮に入れずに、PS2版と同じ割り振りを強引に行った点にある。
PS2の右側のボタン(○、×、△、□)の配置に比べ
GCでは、デザイン上の観点から、各ボタンの大きさと配置にクセがあり、
そこを一切考えないで、そのままPS2の操作を割り振ってしまっているせいで
動かしにくくなってしまっている。
特に固く押しづらいせいでGC用ゲームで殆ど使う機会の少ないZボタンに主観を割り振ったのが
非常に痛い(断っておくがZボタンそのものを否定しているわけでは無い)
恐らくPS2の主観モードに割り振ったR1ボタンと同じ位置にあるから、
Zボタンにしたのだろうが、やりづらい。
ボタン数の関係で、無線通信に切り替える操作が、GCにはセレクトボタンがないせいで
2つのボタンを要求されるのもまったく工夫が見られず、がっかり。

致命的なのが、主観時のカーソルの移動がMGS2より動きが軽く
なかなか狙いたいところに上手くカーソルが合わせられない。
このせいで、難易度はかなり上がってしまった。

小島秀夫は続編のMGS3にかかりきりなため、イベントムービーの監督は
「あずみ」の北村龍平が担当している。
別に彼のセンスを否定するつもりはないが、
小島秀夫の作風をどこか勘違いしていて、違和感バリバリである。

それでも、相変わらずドッグタグ集めは面白いし(集めきった恩恵が薄いのが痛い)
MGS2と同じく、敵兵士をからかって遊ぶのは楽しい。

高いクオリティでできあがっているが、もう一がんばりして欲しかったゲーム。





[2004/11/20-2005/01/06]
戻る

inserted by FC2 system