まわるメイドインワリオ


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2004/10/14
価格4800円
発売元任天堂

(c)2004 Nintendo
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傾きセンサーを搭載し、新しい入力デバイスで、全く新しいミニゲームが展開する、瞬間ミニゲームアクション「メイドインワリオ」の続編だ。

この作品のミニゲームは、単純明快かつ瞬間的に終わらなければならない。そのため、凝ったミニゲームは作れない。前作の時点で、ある程度画一的なゲーム内容になってしまっていた。
そこで、続編を制作するに当たって、傾きセンサーといった新しい操作性を導入することは必然であったといえる。

本体を傾けると、セットされたカートリッジの傾きセンサーが反応して、傾けた方にキャラクタや画面が動く。
十字キーは一切使わない。十字キーの役割を本作では傾きセンサーが担っている。メニューを選択する時ぐらいは十字キーを使わせてくれても良かったと思うが…。

それじゃあ、今まで十字キーで操作していたことをわざわざ本体を傾けるという、煩わしい操縦性になっただけじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。
本体を(時に激しく)まわすという他ではあまりやらない操作性は、それだけで斬新で、面白い。プチゲームの自由度も広がった印象を受けた。
前作が楽しめた人は、今まで通り(ボタン操作のまま)で良いよと思うかもしれない。しかし、最初にも述べたとおり、それでは続編をわざわざ作る意味がないのだ。
入力デバイスを同じまま作っても、同じ物しか出てこず、結果的にマンネリと言われただろう。

システムエンジンが非常に優秀で、今作も相変わらずプログラム技術が高い。ここまでレベルの高い物を作ったのだから、使い回しで続編を作るのは正解だ。

ミニゲームは物量作戦で、露骨な使い回しが無くなった物の、つまらない物と面白い物の差が激しい。しかし、おおむねクオリティは高いと言える。これがこの作品が人気となる理由でもある。

前衛的な試みは評価出来るいっぽう、ものによっては激しく(文字通り)回す必要性があるため、外で遊ぶには結構恥ずかしい。ちょっとしか傾けないゲームと言われるモナのミニゲームでもかなり激しく本体を動かす(振ったりする)。
場合によっては持ち替えて一回転させるほど傾けなければならなかったりする。
そのためか、直接明言されてないものの、初代ゲームボーイアドバンスでのプレイを暗に推奨している(ゲーム画面では初代GBAをもって遊んでいる姿が見られる)。
ゲームボーイプレイヤーで遊べないのは当然のことながら、折りたたみ式のゲームボーイアドバンスSPでもプレイが若干ツライ印象を受けた。さすがに今更バックライトのないゲームボーイアドバンスを推奨されるのはキツイ物がある。

ちなみに自分は一度、プレイ中に手が抜けて本体を吹っ飛ばしてしまった。ものによっては結構忙しいゲームもあって大変だ。

主立ったゲーム内容は前作を踏襲しているが、前作では全てのミニゲームを出すのに、同じゲームモードを延々遊び続けるのが辛かった。
そこで今作では、ボスステージを通過するたびにもらえるガチャコロンというおまけ要素が大量に用意され、ちょっとやそっとプレイしたぐらいじゃ全て集まらないほどの分量が用意されている。
ガチャコロンは、プチゲームを改良して延々遊べるようスコアを稼ぐようにしたものや、傾きセンサーを活用した砂時計や人形といったくだらない(失礼)ものまで実に100個以上も存在する。
ゲーム・ボリュームも見た目の軽さとは裏腹に、かなり遊べるものとなっている。

傾きセンサーをメインに使わせたミニゲーム集は、なんだか強引さを感じさせるし、実際いくつかのミニゲームでは理不尽さをぬぐえない点があったが、コツをつかめばどのゲームもしっかり合格点をとれるように作られている。
このやればやるほど上達する感覚は、良くできたゲームの証拠だと思う。
しかしやっぱり、ゲームボーイアドバンスで続編を作ろうとした場合、こういった荒技を使うしか手が無かったのかと思うとやや残念ではある。ニンテンドーDS版の「さわるメイドインワリオ」は違和感無く本体機能を使わせたミニゲーム集になっているようで、そちらにも期待したい。そこで結論。

回転センサーは無茶苦茶さがあるものの、しっかり面白い。遊ぶべし。





[2010/05/26]
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