対応機種 | PCエンジン(Huカード) |
発売日 | 1990/12/22 |
価格 | 7200円 |
発売元 | ハドソン |
前作「桃太郎伝説」の3年後が舞台。今度は金太郎、浦島、そして鬼族の娘、夜叉姫の4人が協力して戦う!
PCエンジンHuカード史上最大級のボリュームで送る、超大作RPG!!
全体的に前作からグレードアップした内容となっているが、中でも特筆するところは、4人パーティ制が実現している点だ。
パーティ制のRPGは1990としては、既に当たり前になっているが、「桃太郎伝説」としては初の試みである。
RPGとしては特別な要素などは無く、全般、王道然としたオーソドックスな作品だが、当たり前のことをしっかりこなしていて他のRPGと比べ、一段高い完成度を見せる。
レスポンスの良さ、インターフェイスの快適さ、画面の見やすさ&演出の小気味よさ、ゲームバランスの良さ、そして、他では中々お目にかかれない戦術性。
どこをとっても“基本に忠実”だが、“不思議と他がやってない”ために、なぜだか新鮮味を感じられる。
(合間に「桃太郎電鉄」を作っていて、そこから良い刺激を受けている節もあって面白い)
まさにハドソンの総力を結集したという出来映えで本当に密度の濃いRPGとなっている。
大まかなゲームシステムや世界観は一作目で出来上がっており、そこを大きく崩すことなく、上手に昇華している。
例えば、フィールドの地形自体は前作と同じで、前作の村も出てくるが、新しい村、洞窟などが追加されている。
こうなると、前作を遊んでいることが前提と言う印象を持たれるかもしれない。
しかし、今作からでも全く問題なく楽しめる。
逆に、前作を遊んでいても、前作の内容を適度に踏襲しているので、続編という感覚を実感しながら遊んで行ける。実に素晴らしいゲームだ。
気になった点としては、ややエンカウント率が高めに感じたことと、一枚一枚のマップの小ささぐらい(両者は大いに関係性の強い要素だ)。
Huカードとしては大容量のものを使っている(多分8Mbit)だろうが、テキスト、イベント、デモ演出、敵キャラ、術etc...。
色々と詰め込み過ぎたせいで、それでも限られた容量に収めるのが大変だったのだろう。
エンディングまでのプレイ時間はおよそ25時間。同時期のRPGと比べると、圧倒的なボリュームと言える。
最初に王道然としたRPGであると書いたが、本作が他のRPGと違っている(敢えて変えている)部分を書く。
・各村に目安となるレベルを教えてくれる地蔵がいる
前作でも易者が先へ進める上で目安となるレベルを教えてくれた。
こうやって目標のレベルを示してくれることで、安心して遊べる。
・装備品の「下取り」システム
武器防具屋で、買い換えるときに「したどり」というコマンドがあり、その名の通り、現在装備している装備品と欲しい装備品の差額を支払うだけで購入できる機能。
非常に便利なシステムなのだが、後発のRPGにはさっぱり浸透していない。
・主人公が倒れるとゲームオーバー&蘇生手段がない(アスキー「忍者らホイ!」でも同様のシステムだったかもしれない)
同社「天外魔境」シリーズでも受け継がれているルール。
主人公の桃太郎が倒されるとゲームオーバーになってしまう。
また、意図的なものだと思われるが、死亡してしまったキャラを蘇生復活させる手段が存在しない。
倒されてしまった仲間は、村に戻って医者に復活させてもらうしか方法がないのだ。
最後となるが、相変わらずテキストの質が高い。子供向けギャグRPGと思って軽視して飛ばしがちだが、じっくり読んでみると、なかなか面白いことを話している。
とにかく褒めちぎっているが、それだけ隙のない作りで完成度の高い作品だ。そこで結論。
PCエンジン持ってるなら絶対遊べ!!勿体無いぞ!!