桃太郎活劇


対応機種PCエンジン(Huカード)
発売日1990/09/21
価格6500円
発売元ハドソン

(c)1990 HUDSON SOFT
戻る

このころハドソンはやたらとさくまあきらの「桃太郎」シリーズを売り出していて、本作品はその流れに乗った一本と言える。
あの桃太郎がオーソドックスなジャンプアクションに挑戦だ!

難易度選択機能を強調しており、誰でも必ずクリアできることor楽しめることを売りにしている。当時はいかにクリアーさせないかというゲームが主流だったので、これだけで差別化が図られていた。

面クリアタイプの横スクロールアクションだが、敵を倒すとお金が手に入り、貯まったお金で装備品を強いものに取り替えたり、回復アイテムを買ったり出来る。
ステージの最初に必ず村があり、そこで買い物やそのステージの仕掛けなどを村人から情報収集したり出来る。また、ステージ上には仙人の家があり、そこでミニゲーム対決に勝利すると術を教えて貰える。
このようにロールプレイングの要素も含まれているのだ。

一見オーソドックスなアクションゲームなのだが、若干操縦性に癖があり、1ステージが長く、その割にミス後の復活ポイントが少なく、かなり前に戻される。
見た目とは裏腹に、トラップや敵の配置が嫌らしく作られており、全体的に難易度が高めである。

お金が貯まっても使える機会が少ない。ステージによっては、防具が欲しいのに村の中には武器屋しかなかったりして、不便だ。しかも一度クリアした面に戻ることが出来ない。
そのくせ、「やさしい」モードを除き、ゲームオーバーになると所持金が半分になってしまう。理不尽である。

キャラクターを強くして先に進むという要素がせっかく入っているのに、うまく活かしきれていない感じがした。かといって全く強化しないで進もうとしても辛い作りになっている。
ゲームとして平均点はクリアーしているのだが、敵の配置やステージ構造を予め分かっていないと厳しいバランスなど、ハドソンのゲームにしては詰めが甘い感じがする。
ライフ制を採用していて、敵を倒しても回復アイテムを落とさない(店で買ってストックしたものではなく、その場で取った段階で回復するタイプのもの)仕様が、ゲームを一気に難しくしていると思う。
とうぜん、ここをどうするか悩んだと思うのだが、やはり回復アイテムを一切出さないというのは、ゲーム展開に意外性がでないし、飢餓感ばかりが先行して、厳しいものにしてしまっている感じがした。
(厳密には全く落とさないわけではなく、つづらが置いてあったり、特定の敵がつづらを持っていて、その敵からアイテムを入手できるが、回復アイテムを入手できる機会はいずれにしても少ない)

悪くないゲームなのだが、ゲームコンセプトにブレが感じられ、イマイチ素直に楽しめなかったゲームだ。そこで結論。

二兎を追う者は一兎をも得ずの典型。





[2010/09/13]
戻る

inserted by FC2 system