対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1994/12/16 |
価格 | 9980円 |
発売元 | エンジェル |
「セーラームーン」シリーズの中でも、アニメ版第三期をベースとした作品。
これまで「ファイナルファイト」タイプでのゲーム化があったが今作ではブームの影響もあってか2D格闘ゲームになっている。
「セーラームーン」は人気絶頂になってきたこともあり、1994年は色々な機種で、色々なジャンルで発売された。
スーパーファミコンでは、バンダイがパズルゲーム路線での発売を、エンジェル名義では原点である格闘ゲーム路線での発売をすることになったようだ。
キャラクターの個性を生かすことを考えれば、ベルトアクションよりも、お互いのキャラが戦い合う2D格闘の方が相性が良いだろう。
ふがいない主人公の月野うさぎに代わって、本当の主役を決めるという設定もうまく生きていると思う。
ゲームの方に関しては、相変わらず見所のない作りで、基本的には「ストリートファイター2」の劣化コピーと言った感じの完成度である。
今回も作中の作画やアニメパターンなどは非常に良くできている。
特筆すべき要素としては、相手と反対側のキーを2回押すことで緊急回避(バックステップ、モーション中は無敵)が付けられていること、
おちゃめのパラメータによって、必殺技を失敗したり、転んでしまったりなど。
ゲーム開始前に、攻撃、防御、体力、必殺技、???、おちゃめの6項目から強化したいステータスにポイントを割り振るシステムなどがある。
また、体力ゲージが1枚を超えて2枚重ねの状態から始まるところはこの手の格闘ゲームにしては珍しい。
キャラクターはいつものセーラー戦士の5人にくわえて、ちびうさと、いわゆる年配のセーラー戦士3人が加わった、計9人である。
キャラごとの特性は、原作をベースに作られていった感じで、全体のゲームバランスはあまり考慮に入れてない印象がある。
傾向としては、飛び道具を持ったキャラが多く、対空技を持つキャラが少ない気がする。
一人一人に割り当てられた必殺技の数が少ない。必殺技コマンドは独特な物は無く、ある程度テンプレート化されてきたものを使っているので、入り込みやすいものの
スーパーファミコンのコントローラでは出しづらい(これは移植ものの格闘ゲーム全般に言えることだが)。
この問題点に関しては、操作モードをオートに設定することで、ワンボタンで必殺技を出せる配慮があり、好感が持てた。
しかし、HPが減った状態で出せる超必殺技の概念を導入している辺り、当時の格闘ゲームの良いとこどりを狙った風なずるさも見られる。
原作付きゲームの宿命とも言えるか、当時の人気ジャンルを題材に上辺だけを借りて商品にするというありきたりなゲームソフトな感は否めない。
はなからスーパーファミコン向けに作られたゲームだけに、背景も寂しかったり、エフェクトも地味だったりする。
2D格闘ゲームは、遙かに性能が高いアーケード基盤で引っ張っているものだけに、家庭用オリジナル作品だとこんなものだろう。
原作ファンでない限りは、敢えてこれを選ぶ価値は無い。
同じく格闘ゲームであるドラゴンボール超武闘伝なんかは独自性に力を入れて上手に作っていた感はあるのだが…。
ただ、練習モードやトーナメントモードなど各種モードが充実している点は評価出来る。そこで結論。
ファンなら楽しいか。