MOTHER3


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2006/04/20
価格4800円
発売元任天堂

(c)2006 Nintendo / BROWNIE BROWN / HAL Laboratory / SHIGESATO ITOI
戻る

奇妙で、せつない物語。糸井重里脚本のマザー最新作が遂にやってきた!
一時は発売中止となり、幻の作品とも揶揄されて久しかったマザー3が、とうとう我々の目の前に姿を現す。

立ち上げた時に表示されるロゴに「ブラウニーブラウン」が出た時、「ゲッ」と思ったのだが、嫌な予感は見事に的中するのだった。どうも、今回はここがメインで制作してるらしい。
メニューインターフェースが悪い。操作しづらい。任天堂ブランドだから駄目ってほどではないが、良くは無い。
GBAの画面サイズの小ささから苦渋の決断だったとは思うが、画面上部一列に表示されるアイコンメニューは、はっきりいって見にくい。

先入観バリバリで申し訳ないが、ブラウニーブラウンという会社はゲーム作りのセンスは残念ながら無いと思ってる。
なんか、ゲームバランスの付け方も下手くそだしねぇ、アイディアは悪くないのだが、全体的に作りのがさつさがやたら気になる。

そんなわけで、前作の2のような、第一線に位置するかのような完成度の高さは見受けられず、逆にそこから退き、B級C級的な雰囲気が漂っている。敢えて、その辺りを狙ったという節もある。
しかしこれは危うい。ともすれば、糸井重里アワーについていけない人には、まったく楽しめないからである。
だからか、あまり宣伝も無かったし、発売前の情報公開も最小限に抑えられるというこじんまりとした展開に終わる。
続編を待つファンへの精一杯の誠意ともとれる。逆を言えば、それだけのゲームとも言える。

章立てで進行するが、もうちょっと早い段階で本題に入って欲しかった。プロローグが長すぎるのである。
それでも、名のある人間がシナリオ書いてるから、ゲームの中としてはレベルの高い部類にはいる。RPG特有のだらだら感はないし、遊ぶ側の心理をちゃんとわかっている構成だ。

ザコ敵のヒットポイントが高く、倒すのが少々面倒。また、一部のボスはしぶとく、瀕死になるとHP回復を無限に行うなど、めげそうになる局面も少なくない。ちょっと意地悪い。
2で、ドラムロールの回転式のHP表示が新鮮だったが、今回はさらに踏み込んだバランス調整で、面白い反面、素早くコマンド入力を求められることが、コマンド型RPGとしては納得がいかずストレスとなっている。
バトルBGMにあわせてボタンを押していく事で、攻撃がつながっていくシステムは、今回はあってなき程度にとどめられているが、なかなか良いアイデアだ。突き詰めれば、面白いものが出来るかもしれない。

音楽は、たなかひろかずでないことと、GBAというハードウェアを考えると、なかなか頑張っている。
たしかに、ニンテンドーDSやPSPが出た現在としては、貧相な印象を受けるかもしれないが、さすが任天堂、丁寧な作り込みで高い水準を維持している。

マザーシリーズに心打たれた人ならば、ぜひとも触っておくべきだろう。逆を言えば、それ以外の人には、そこまで魅力的にうつる作品ではないという、ちょっと寂しい側面もある。

マザーという作品はひっそりと静かにその役目を終えた。





[2006/04/25]
戻る

inserted by FC2 system