BRAVE FENCER 武蔵伝


対応機種プレイステーション
発売日1998/07/16
価格6800円
発売元スクウェア

(c)1998 SQUARE
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FFのスクウェアが立ち上げた新シリーズで、フルポリゴンの3Dアクションロールプレイングゲーム。
キャラクターデザインにFF7の野村哲也を起用。...が、パッケージのデザインだけでゲーム中は違うデザイン。どうやら話題作りのために後付けで起用しただけのようである。
また、FF8の体験版を同梱し、大々的に売り出された大作ゲームとなった。

スクウェアだけあって、グラフィックがかなり綺麗。特にテクスチャーの質感が滑らかな色合いで凄く雰囲気が出てる。
逆に、操作性に関しては、結構大雑把であらっぽい。ゲームを進めるとコンボ必殺技を覚えていくが、最後までうまく出せず、ボタン操作のタイミングが分からなかった。

デュアルショック(アナログコントローラ)対応だが、8方向移動で移動速度を調整できる程度のものとなっていて、非常に惜しい。十字キーで操作したほうが操作感も良い作りに調整されているし、なんとも滑稽さを感じた。

それから、カメラ操作のできる場面、カメラ位置は固定だがズームができる場所、完全固定の場面で仕様が分かれているが、全部完全固定のほうが統一感が出るし良かった気がする。
カメラ操作ができる村の中は、方角が表示されないこともあってか、かなり迷うし、結局ゲームをクリアしてもなお、村の構造がはっきりわからないままであった。

ゲームバランスは、謎解きとアクション、両面を見ると、こちらの作りもやはり大雑把であり、場面場面で難易度にばらつきがある。
特にアクションではミニゲーム形式のシーンが難し目の傾向にあり、「面白いんだけど、惜しいなあ」と感じさせる調整が目立っていた。
謎解きでは、ゲットインという敵から能力を取るシステムを上手く活用する必要があるのだが、これがなかなかに面白い。が、使える場面がごく一部に限られてしまっているのはシステムを活かしきれなかった印象があり、やはり惜しい。

時間の概念があり、村に住む人達は時間に応じた動きを行うのだが、こちらはなかなかに頑張ったシステムになっている。
鬱陶しい側面が強かったが、プレイヤーの眠気というシステムも、独特で、これを回復させるための「寝る」というアクションを含め、面白いかどうかは別として新鮮さはあった。
しかし「寝る」というアクションは、セレクトボタンを押しただけで寝ても良かった気が?

多くの場面で、人気声優がボイスを当てており、イベントシーンでは喋ってくれる。が、肝心のストーリーが薄味で、アクションゲームとして成立させるために展開している程度のものなのは、見ごたえに乏しく、実に惜しかった。
多くのキャラはただボスキャラとして出てくるだけといった程度の存在感しかなく、多くの人が期待しているであろう、緻密なストーリーラインといったものなどは無いに等しく、その場限りのノリだけでゲームは進む。
ゲームなんだから、その作りも悪くはないのだが、せっかくアクションRPGなのだし、豪華声優を起用しているのだし、なんだかもったいないと感じてしまうのだ。

全体的に見ると、本作独自の新しいことはやっていないものの、すでに他の作品で見たようないろんなシステムを詰め込んでそれらをうまく融合させており、良く頑張ったゲームとなっている。
これだけいろんなシステムを入れているものの、大きく外してもいないので、悪くない完成度に仕上がっている。

ごった煮感あふれるシステムでこのままでも十分面白いが、もうひと押しほしい作品。





[2020/05/08]
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