真・三國無双


対応機種プレイステーション2
発売日2000/08/03
価格6800円
発売元コーエー

(c)2000 KOEI
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広大なフィールドを舞台に繰り広げられる戦を題材にした3Dアクションゲーム。
中国の史実に基づいた戦争をモチーフにしており、数百人規模の人間たちが壮絶に戦い合う。

「決戦」とともに、コーエーがプレイステーション2向けに発表したゲームの一つ。

画面上に群がるキャラクターは軽く10人を超え、しかも60フレームで滑らかに動くのは素直に圧巻と言える。
その代わり、ポリゴンの描画は限界まで削っており、フィールドマップ及びオブジェクト(キャラクター)は、かなり近づかないと表示されないという欠点はあるが...。
また、あまりに人が密集していると激しい処理落ちが起きてしまう。
こういった部分は、惜しいと言わざるをえないが、それでもこのクオリティーの高さは素晴らしいと素直に拍手できる。

このようなグラフィックの凄さに目が行きがちだが、それよりもこのゲームは、大規模な戦をなるべくリアルにシミュレーションしようとしたところも面白い。
プレイヤー1人で戦っているのではなく、敵も味方もいくつかの軍勢に分かれて戦っている。
プレイヤーの見えない場所でも、戦況が動き、時には戦力がぶつかり合っているのだ。
右上に表示されるレーダーマップを見ながら、どのように動くのかという状況判断を常に求められる。
アクションゲームとしての腕も重要ではあるのだが、どちらかと言うと、自軍を勝利に導くためにどうすべきかという思考力のほうが重要というのも中々面白い。

敵も味方も単純なAIではなく、それらしい動きをする。たまにアホな動きをすることもあるが、弓兵だとちゃんと距離をおいて適切な位置で射撃してくれたり、
敵においても、プレイヤーばかり狙ってくるのではなく、別の軍勢と戦っていて、こちらが攻撃すると標的を変えてくるなど、非常に凝っている。

画面外で行われている戦闘の勝敗は、士気というパラメータによって優勢か劣勢かを決めているようだ。
レーダーマップには常に敵と味方の位置がリアルタイムに表示されており、戦闘が起こっている場所に近づくと、ちゃんと敵同士が戦っている姿が表示される。
同じステージで、同じタイミングで同じように動いても、イベントの起こるタイミングや、戦況の変わり方が異なるので、ズルはせず、ちゃんとAIの動きを計算しているのかもしれない。
ただ、勝ち負けの結果についてはお互いの士気ゲージによって判定を下しているのだろう。

全体的に中々面白いタイプのゲームではあるのだが、いかんせんアクションゲームとしての荒削り感は否めない。
まず、視点がいまいち悪く、視界が狭い上に視点の操作が、L1の視点リセット(背後に回りこむ)しか出来ない。
L1の防御が使えたものじゃないこと、馬に乗るメリットがあまりない、一部の弓兵が非常に強く対応策が殆ど無いことなど。
終盤のステージがやたらストイックで、理不尽で、かなり頑張らないとクリアできない点。
そのくせ、説明書が説明不足で、キャラクターを強化するシステムなど、重要な部分が全然書かれていない。

見た目とは裏腹に、大量の敵を一斉になぎ倒していく爽快感よりも、いかにして戦に勝利するか?というシビアな戦略性が重視されたゲーム内容は、はっきり言って好みが分かれると思われる。
よく出来ているし決してつまらないゲームではない。熾烈な戦場で生き延びる手に汗握る緊張感が味わえて、画面の中ではリアルな戦争が繰り広げられている。
だが、ステージ数の少なさ(これは仕方ない)、キャラクター強化していることが半ば前提の終盤のステージの数々、武将をおびき寄せてハメ殺すような戦い方など、今一歩冷めるところが多いのも事実。

言うほど悪いゲームではないのだが、理不尽な点も多く、1キャラエンディング迎えるだけでお腹いっぱいになってしまった。そこで結論。

洗練されるだろう続編に期待。





[2015/03/05]
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