真・三國無双2


対応機種プレイステーション2
発売日2001/09/20
価格6800円
発売元コーエー

(c)2001 KOEI
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群がる大群をひたすら蹴散らしていく爽快感が新しいアクションゲーム、コーエー「真・三國無双」の続編。

前作の不満点をしっかりピックアップして、改善が図られており、驚くほど遊べるアクションゲームへと変貌を遂げている。

まず、DVD-ROMになったことで、物足りなさのあったゲームボリュームが増大している。
ステージマップ、使えるキャラクターの数、いずれも1本のゲームソフトとしては文句の付け所がないぐらい増量されている。

アクションゲームとしては調整不足の感が否めなかった前作だが、この辺り、今回はかなり手を加えられていてグレードアップしている。
見づらかったカメラ視点の微調整、攻撃範囲の拡大、コンボ数の増加等、見違えるほどゲームバランスが整備されていて、思わず拍手を送りたくなってしまうほど出来がいい。

経験値を稼ぐ等の単純なキャラ育成だけでなく、強い武器やアクセサリーを集めて装備することでもキャラ強化が出来るため、アイテム集めが面白い。
2キャラ目、3キャラ目を育成するときは、これら装備品で多少強い状態から始められるよう工夫されているのが良い。ちゃんと考えられている。

描画まわりもパワーアップしていて、より多くのキャラクタが表示されるようになって迫力が増した。
前作だと、ちょっと敵が密集していると、すぐ処理落ちを起こし表示しきれないキャラが透明になってしまっていた。
今回は、ちょっと密集していても音を上げること無くきちんと表示される。
それでも今作は表示しきれなくなるほど敵が固まってやってきたりするが、ゲームにならないほどの処理落ちや破綻はほとんど起こらず60フレームを維持しているのは地味に凄いと言えないだろうか。
また、上下2分割の2人同時プレイを搭載していることも特筆すべき点だ。

後は細かいことになるが、登場人物にフリガナを振ってくれていること。
キャラクター辞典というモードが出来て、登場人物の人柄や人生といった解説を読むことが出来る。
「三国志」をあまり知らなかった人にも、楽しんでもらおうというこれらの配慮が素晴らしい。

後は、地味な点になるが、前作では説明不足だった取扱説明書も、今回は細かい部分までしっかり記述してくれている。ユーザーの意見をちゃんと聞いてくれている証拠ではないだろうか。

だが一方で、決して無視できない不満点もあるため、そちらを指摘する。

このゲーム、正直どのように遊んで欲しいのかという部分がどうにもわかりにくい。

「無双モード」がキャラごとに異なる展開を見せると言っても、確かにキャラごとにステージ構成は違うのだが、所属勢力が同じキャラだと、似たり寄ったりの同じステージばかり遊ばされる。
おおまかに分けると3つの勢力ごとに、ステージ内容が違っているが、単純に敵と味方の立場が入れ替わっただけのものやこれといった筋書きのない汎用ステージの使い回しも多い。
大体1勢力10キャラで、全部で30人位いるが、全キャラクリアまでプレイするのはツラすぎるし、かといってどれぐらいプレイすれば全部のストーリーが見られるのかもわかりにくい。

一応、「無双モード」では出現していた28人分全部をひと通りクリアまでやったのだが、ノーヒントの隠し要素も多く、これだけやっても全てのキャラを出せていないようだ。
サラッと書いているが、大体1人クリアするだけでも1時間30分ほどかかり、それが28人分だから、単純計算で45時間以上は遊んでいることになる。

一度クリアしたステージがこれだけ繰り返されるのは、正直に書けば苦痛でもあった。
何度かプレイすると必勝法が見えてくる。必勝法が確立するとより一層ルーチン作業になり、つまらなくなってしまう。
わりかし自由度が高く色々出来るし、やるたびに違った反応がかえってくる多彩なゲームだが、同じ面を何十回もやっていると、いくら面白くてもさすがに飽きてしまうのだ。

相変わらず、右上のレーダーマップが見づらい。全体マップと周辺マップに切り替えられるが、どちらもイマイチ使い勝手が良くない。
視点は改善されたが、マップが巨大な割に視界が狭いので、自分がどこを向いているか迷うことが頻繁にある。
レーダーマップに自分の位置アイコンが表示されてて、どの方角を向いてるか示しているのだが、アイコン自体が小さくて見づらいために当てにならない。
結局、スタートボタンで見れるポーズメニューの全体マップを頻繁に見るハメになる。
ポーズメニューの全体マップは、武将の位置などが明確なためだ。

L2を押すと、画面上にいる武将や護衛兵などの体力が表示されるが常時表示されてるぐらいでいい。
初期設定が非表示なのだが、不便。L2を押す度に切り替えられるが、オプションで表示の切替の設定を選ばせるぐらいでも丁度良い。

後半は、色々と細かいところまで書いてしまったが、ゲームとしての出来は格段にギュッと引き締まっているのは紛れもない事実としてある。

「真・三國無双2」とは言うものの、続編といえるほどのこれといった進化は実は無いと思う。
(誤解を招く表現だが、本作を否定するための文言ではない)
一作目で、あらゆる部分の基礎が既に出来上がっていて、その部分はそのままそっくり受け継いでさらに遊びやすく改良を施したというのが続編である本作の立ち位置と言えないだろうか。
それを考えると、前作である一作目はPS2黎明期の作品特有の荒削りさだらけの作品だったが、磨けば光る原石のような存在だったのかもしれない。
そして見事それを見抜き、磨き上げて綺麗に光らせたコーエーは偉い!!そこで結論。

これぞ目指していた「真・三國無双」の完成型!!黙って遊べ!!





[2015/07/13]
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