子育てクイズ マイエンジェル


対応機種プレイステーション
発売日1997/11/13
価格5800円
発売元ナムコ

(c)1996 1997 NAMCO
戻る

落ち目になっていたアーケードのクイズゲームで、頭角をあらわしていた美少女ゲームの要素を混ぜて売り出した作品の一つ。
同時期にカプコンも「クイズなないろDREAMS 虹色町の奇跡」という似たコンセプトのゲームをリリースしていた。ゲーセンでの稼働はこちらが先だが家庭用の移植はあちらが先。

問題の正答傾向によって、自分の娘の性質(嗜好性)が変化するという着眼点は非常に面白く目につきやすいのだが、ゲームシステム的には多くの問題を抱えたままであり、見た目ほどの面白さがないゲームである。

まず、問題の出題がランダムで、プレイヤーが問題を選ぶことが出来ない。そのうえ、出題されるジャンルに公平さがない。
かつ、ライフ制なので、3回間違えると問答無用でゲームオーバーとなる。湯水のようにコインを吸い取られるゲームである(あまりに早くゲームが終わってしまうため、2クレジット設定にしてる店が多かった気がする)。
ノルマ制を採用しており、1ステージでの出題数に(特殊なイベントを除き)制限がないため、コンティニューし続ければいずれは先へ進めるが、
全25ステージと1周が長く、エンディングに到達するには相当お金を使わなければならない(クリアするために問題の答えを覚えるプロセスも考慮するとかなりのものとなる)。

つまり、このシステムでは、プレイヤー自身の趣味や嗜好性が反映されることが極めて困難と言えるわけだ。
加えて、インターバルではイベントシーンが発生し、選んだ選択肢によって娘のパラメーターが大きく変化する。
この要素を入れることによって、ある程度狙った性格のキャラを作ることが出来るが、コンセプトである“クイズの正答傾向からプレイヤーの性格を分析する”企画が破綻してくるのだ。

やり方次第ではかなり面白くなったゲームだと思うが、どちらかというとインカム等の制約がない、じっくりプレイ出来る家庭用向けの企画に思えた。

そんなわけで、このプレイステーション版では、大きくテコ入れが施されている。
「アットホームモード」と「ラブラブモード」の2つが追加されている。

「アットホームモード」は、アーケード版の問題点を改善して作り直されたモード。勿論べつにアーケードモードも収録されている。
ステージとライフが倍になり、ライフに関してはステージごとに最大値まで回復するようになったことでゲームオーバーになりにくく、かつ、プレイヤーの正答傾向が従来より反映されやすくなった。
しかし、セーブ機能を付けた代わりにコンティニュー制度が廃止されたため、ゲームオーバーになるとセーブポイントからやり直しとなる。そのセーブポイントも、出来る機会が少なめで、終盤で難問ラッシュが続くようになるとちょっと厳しい。

自分の娘の声を担当する声優が変更されている。アーケードではベテランの伊倉一恵を使っており、演じ分けがうまかったが、どちらかというと大人の女って感じでアダルトチックな雰囲気が強かった。
PS版では鈴木真仁に変更されていて、アーケードでは足りなかった可愛らしさは出ているが、演技力に関しては劣ってしまったと言える。

「ラブラブモード」は、「アットホームモード」で到達したエンディングのキャラ(最大4種類)から1人選び、高校生活の3年間の間に出題されるクイズで正解して好感度を上げていき告白されることを目指すモード。
こちらのモードは、なんというか、モロ過ぎて呆れてしまうほどだ。

直接的な不満点は、問題に回答する制限時間が短めで考える時間が少ないこと、連結問題が存在し、例えば、とある映画の問題が出題されると、その後の3問はそれに関連した決まった問題が出題されるシステムがエグいと感じた(わからない人にとってはとたんに苦痛になる)。

全体的にナムコっぽくない、どちらかというと、コナミが作りそうなゲームにみえた(イラストもときメモを意識した感じであまり可愛くないのもなんだか…)。そこで結論。

見掛け倒しのゲーム。





[2011/07/24]
戻る

inserted by FC2 system