ナナシノゲエム


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/07/03
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2008 SQUARE ENIX / epics
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呪われたゲームソフトをプレイすると一週間以内に死ぬ…。
ゲームに秘められた呪いと謎を解き明かす、本格ホラーアドベンチャー登場。

ストーリーは、現代。TSというDSそっくりの携帯ゲーム機に突然送られてきた怪しげなRPG(これがファミコンのドラクエチックな代物)
これをプレイしたものは一週間以内に死んでしまうという。それを回避するために謎に迫るという触れ込みだ。
ストーリーとしては、はっきりいって三流以下と言ってもいいものだが、見て欲しいのはそっちよりも、バイオハザードばりのホラーアドベンチャーだろう。

キャラクタデザインも、CGで描かれているのだが、なんだか地味で、質感も一昔前の安っぽいCGな感じで魅力に乏しい。

このゲームは、基本的に本体を縦に持ってプレイする。(ゲーム内の携帯ゲーム機である)TSを操作する時のみ、横持ちになる。
TSをプレイするのは、ゲームが配信されてきた時、メールを読む時である。

突然横持ちになったりするので、持ち替えが面倒くさい。

また、パートは主に3種類あって、TSパート、サウンドノベルのように文章が表示されてストーリーが展開するパート、3Dフィールドを探索するパートの3つに分けられる。
主に、比重として強いのは3D探索パートである。

3Dパートは、フィールドがフルポリゴンで描かれていて、一人称視点で、タッチパネルと十字キーで移動するのだが、この操作性が褒められた物ではない。
中心をタッチし続けると前進、画面の上下左右をタッチするとそれぞれの向きに視点が移動。
それプラス、十字キーでも同様の操作ができて、タッチ操作と併用すると、機敏に移動出来るという感じである。
しかし一人称視点というだけでも日本では敷居が高いので、上下の視点操作はいらんかったと思う。別に必然性のあるところも見受けられなかったし。

3Dパートでは、ゾンビ風の敵がいて、接触するとゲームオーバーとなる。
ゲーム性で言えば、ヒットポイントやアイテムも一切無く、カプコン「バイオハザード」シリーズはおろか、ヒューマン「クロックタワー」以下とも言える希薄さを誇るが、
有無を言わさず一発死というシステムが、逆にホラー系要素や演出のみで勝負せざるを得ない状況を生み出しているにもかかわらず、なかなか恐怖感をあおってくれて面白い。

グラフィックも、DSとしてはかなりクオリティが高く、近づかなければテクスチャの荒さは気にならないほどだ。
また、特にサウンド面に凝っており、ヘッドフォンプレイをすると、かなりの臨場感を得られる。
演出周りも秀逸で、他社の人気ホラーアドベンチャーから持ってきたようなものが目立つのが気になるものの、クオリティは十分で、
物陰から突然敵が出てきてやられてしまったり、突然窓ガラスが割れてみたり、敵に追われる状況に追い込まれたりと、ベタでありながら、構成がうまいので、ついついのせられてしまう。

特に音楽関係の演出が恐怖感をあおるのに素晴らしい効果を発揮しており、飽和気味のこの手のゲームでは久々に怖がらされた。
呪われたゲームというところどころで挿入されるバグったRPGも斬新で面白い。
また、そこで操作性の悪さがもどかしさを助長していて良い…のは、おそらく狙ってやったことではないだろう。

残念なのは、テクスチャーマップが凝っているにもかかわらず、調べても反応が返ってくるものがほとんど無かったり、フラグ立ての要素もほとんど無いので、ただ通過するだけのゲームになってしまっている点。
たまに、部屋を調べてフラグ立てをする場面もあるのだが、グラフィックが凝りすぎてるので、調べてフラグが立つ、反応が返ってくるオブジェがわかりづらい。
調べてるつもりでも認識されてないこともあったりして、ストレスがたまってしまう。
ゲーム開始直後は、プレイヤーが前進する部分を丸い円で表示していたのだが、あれはオプションででもずっと表示出来るかどうか選べるようにすべきだったし、
調べられる部分をアイコンで示して、そこをタッチさせるなどのインターフェイスまわりの改善点は多々見受けられた。

非常に凝った作りをしており、リアルタイムポリゴンでは制約上描けないシーンをムービーで見せているせいもあってか、ゲームボリュームが致命的に無い。

雑誌とかでは10時間ぐらい遊べると言っていたらしいが、どんなに頑張ってもそれは無い。せいぜい5時間ぐらいが関の山だろう。
スクウェアエニックスという大手のゲームメーカーの割には、やり込み要素のようなてこ入れも見られず、コストパフォーマンスは良くない。

全体的に三流の雰囲気は否めないが、基本をおさえているから面白いというのは、まさにこのゲームのことを指しているのではないだろうか。
実験的なゲームの色が濃いのもあって、出来てない部分も気になるが、クオリティはかなり高い。そこで結論。

ホラーゲームとしては久々のヒット作です。もっと遊べるゲームだったら文句無し!





[2008/07/04]
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