シンプルかつ奥深い戦略性が高評価を得たネクタリスの続編。 CD-ROMということもあって、前作も丸々収録しているという非常にお買い得なゲームになっている。 それにはもう一つ理由があって、本作の所謂続編部分の難易度が全体的に高めということもある。 逆を言えば、前作の間口の広さを完全に捨ててしまい、一部の上級者向けにデザインされたゲームということだ。 ゲームそのもののシステムは大きく変わってはいないのだが、難易度が洒落にならないほど高くなっている。 まず、1作目を裏まで全クリアしているのが前提ともとれる、最初の一面からかなりのプレイヤースキルを求められる バランスには閉口してしまった。 ステージ数は大幅に増え、かなりボリューム感はあるのだが、 前作に比べると印象的なステージが減り、 トリッキー(マニアック)なステージが増えた印象を受ける。 これは、アマチュアならば許される行為だが、 プロの作るステージで、こういうステージ群はあまり良いこととは言えない。 はっきり言うと、「プロとしてやっちゃいけない領域」なのだ。 なんというか、冷める。 やっぱり本筋のステージを作るに当たって、やっちゃいけないことってやっぱりあって、 ネオネクタリスではそれらが顕著に感じられてしまった。 敵の配置や味方の配置が露骨に嫌らしい。クリアする気が失せるという物だ。 敵のみが使うことを許されている新兵器(新ユニット)の性能が壮絶すぎて卑怯とすら感じる。 前作の公平さが無くなった。 前作は、不利な局面の中にもフェアーな部分があって、それを頼りにがんばれたという感じだったのだが 敵専用の凶悪なユニット群が、どうにも萎える要因になってしまい、やる気がかなり削がれてしまった。 音楽も生音になったのだが、ただ五月蠅いだけで、気が散ってしまう。 グラフィックもリニューアルされたのは良いが、どうも前作のシンプルさが無くなって ゴテゴテした印象を持った。 最も酷かったのが戦闘画面で、前作の迫力を感じることが出来た3D的な視点から 見下ろし型になってしまって、なんだか動きが全体的に固くなってしまった。 撃墜した時のエフェクトも貧弱で盛り下がる。 画面切り替えのロード時間で待たされることは無いだけに残念なところだった。 続編物ということもあって、完成されていた前作を変に手を入れたりしたのがまずかったようだ。 勿論、手を入れることは必要だが、それは一作目の何処が良くて何処がダメだったのかを 熟知した人間がやらなければ、このように改悪されたゲームになってしまう。 ここら辺、不思議のダンジョンのチュンソフトはよく分かっている。 最大の不満点は、やはり一作目を入れたからと、難易度を馬鹿みたいに底上げした本編に尽きる。