邪聖剣ネクロマンサー


PCエンジン初期に発売された、ドラクエタイプのRPG。
その前衛的なゲームシステムと、他では見られないゲーム内容が
PCエンジンのゲームとしてはかなり高い知名度を獲得した。

最大3人パーティなのに加え、難易度が全体的に高めなところから
ドラクエのなかでも2に近い。

まず、このゲームで真っ先に語りたいのが、パスワードコンテニューについてだ。
本作は長いことで有名なドラゴンクエスト2を遙かに凌ぐ長さを誇る。
それだけではなく、ドラクエ2とは違って、入力文字がひらがなだけではなく、
英語にまで及ぶ。
このせいで、パスワードの写し間違えがドラクエ2以上に起こりやすく、
「パスワードが違います」の文字に泣かされることが非常に多かった。
環境が整っている人であれば、パスワード表示中の画面をビデオに録画したり
予防線として3回ほど保険をかけてパスワードを写すという苦行でなんとか凌いだのである。
なお、PCエンジン初期のゲームということもあって、天の声といったバッテリーバックアップにも
非対応なので、否応なくパスワード入力を求められる。

ゲームの中身について。
ゲーム開始時に連れて行く仲間を2人選ぶようになっている。
一度選んだ2人以外の入れ替えは一切不可能となっていて、
これは当時のゲームとしては画期的な物だった。
選ぶキャラによって、肉弾戦に長けていたり魔法攻撃に長けていたり、
その他にも早熟型だったり、大器晩成型だったりと、
この辺りのキャラ性能のバランスも非常にセンスが良く、ゲームの面白さや
複数回のプレイに耐えうる自由度を構築している。

全体的に漂う雰囲気は、グロテスクやスプラッタ風味で、
グラフィックも暗く、敵もバイオハザードに出てきそうな物ばかり。
CMでは「決して一人ではプレイしないで下さい」なんて言う辺り、
かなりホラー的に作られている節が伺える。
これは、RPGのジャンルの中ではかなり異例な方向性である。

PCエンジンのRPGや、出来の悪いRPGによく見られた、
理不尽に経験値稼ぎをしないと先に進めないと言った構成の悪さは無く、
ややストイックさは漂うが、RPGとしてしっかり作り込まれており、
挑戦する価値のある難易度になっている。
LVが上がりすぎると(普通にプレイする分にはそこまで上がらないが)、
逆に能力値が低下し始めるといったわざとやったのか妙ちきりんなところや
インターフェースの旧世代的な部分を除けば
今でも十分遊べるゲームではないかと思う。



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