愛戦士ニコル


対応機種ファミリーコンピュータ(ディスクシステム)
発売日1987/04/24
価格2980円
発売元コナミ

(c)1987 KONAMI
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なかなか妙ちきりんなタイトル名だが、コナミから発売された、オーソドックスなトップビューのアクションゲームである。
愛戦士というのはおそらく、さらわれた恋人を助けるという筋書きから付けたのだと思う。

このころ、ディスクシステムのゲームは、「ゼルダの伝説」や「メトロイド」にでも影響を受けたのか、アクションゲームでも成長&探索要素を取り入れたゲームが多くあった。
本作も少なからず、前述のゲームの影響を受けた箇所が見受けられ、一筋縄で終わるアクションゲームではない。

トップビューで固定画面の切り替え式なのは、まんま「ゼルダの伝説」である。
また、ステージクリアーの条件が、各所に3つ配置されたコアを破壊しかけらをゲットすることであり、単純に示された方向へ進むだけのゲームにはなっていない。
マップ構成も入り組んだ物になっており、フィールドマップとダンジョンマップの2種類を行き来していく、複雑な構造をしている。

一部のアイテムにはプレイヤーの能力アップさせる物があり、ライフゲージを増加させる物や、足を速くする物、ショットの威力や能力を底上げする物がある。これらは攻撃を当てることで出現する隠しアイテムの状態であることが多く、見つけるのが難しい。

ステージ上には、ボスキャラも各地に配置され、複雑な地形とともにプレイヤーを苦しめる。

ゲームバランスとしては終盤がやや荒っぽい作りに見えたが、おおむね(1987としては)完成度は高い。
しかし、トップビューで足場の飛び移りを要求させるのは、厳しいので辞めてもらいたかった。
開発側もわかっているのか、落ちても一発死というわけでもなく、ダメージゾーンを大量にもうけた地下エリアに落とし、脱出することで復帰出来るようにしている。
最初からそこまで配慮するのなら、ジャンプアクションの要素をバッサリ切るべきであった(しかしジャンプのアクションをなくすべきという意味ではない。ジャンプ中の当たり判定が曖昧になってるし無くてもいいとも思うが)。

なお、音楽のクオリティが非常に高く、聞き応えがある。ディスクシステムならではの音源をここまで使いこなすのはこの会社ぐらいな物だろう。その影響か、曲数が少なく使い回しが多い気がするのだけが残念。
しかしSFチックな世界観とうまくマッチしており、良くできている。

ギミックも豊富に用意されており、最後まで飽きずに楽しめる。マップチップのバリエーションも豊富で良い。アクションと探索システムのバランスが良くとれた作品といえる。そこで結論。

小粒だが良作。





[2010/05/16]
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